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『ムッチリーナ…AV界の錬金術師が生み出す進化系』~伝説デザイナーのAVジャケット時評

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話しが少し脇にそれますが、“○○リーナ”って名前で思い出すのが「カップリーナ」のこと。1971年に日清カップヌードルが誕生したとき、他の即席麺メーカー各社もそれに追随しましたが、「チャルメラ」で有名な明星食品が最初に出したカップ麺の名前が「カップリーナ」でした。さらに佐野元春の1980年のデビュー曲に『アンジェリーナっていうもありましたが、この歌詞にも歌われているように、日本の大衆文化における“○○リーナ”という響きのルーツは、“バレリーナ”の語感から来ているのかもしれません。

色っぽい話しに戻しますと、僕がかつて関わった仕事に、「オシリーナの愛称で有名になった秋山莉奈さんの写真集の構成デザインがあったんですが、第1弾『楽園 ~20歳のシークレット・パラダイス~』(2005)、第2弾『失楽園 RINA、オトナへの決意』(2006)と、どちらも相当に売れた写真集でした。特に第1弾はスグ売り切れてしまい、重版が出るまでのあいだは、法外なプレミア価格で取り引きされていたぐらいです。

で、満を持しての第3弾、DVDつきムック『バイブル』のときに、はじめて「オシリーナの名称が表紙のキャッチコピー的にあしらわれたのでした。実はこのネーミングは、僕ら編集側ではなく、秋山さんの所属事務所側の命名でした。僕は「愛称がオシリーナだなんて、ちょっと莉奈ちゃん可哀想じゃない? 外さない?」と掛け合いましたが、事務所側の強い要望があって、結局、僕はその文言を目立つようにカバーデザインをしたのでした。

しかし、そのネーミングのインパクトが功を奏したのか、秋山莉奈さんは、より一層、TVや雑誌で売れっ子になっていたのを覚えています。いま考えても、いかにセクシーさを売りにしたアイドルだとしても「オシリーナ」って愛称は破壊的だし、一度聞いたら絶対忘れられない強烈なネーミングですよね。

その“○○リーナ”界に満を持して、今年5月、過去最大級インパクトのネーミングが現れたわけです。それこそが、この「ムッチリーナ」。こちらも、3回でも4回でも復唱したくなる響きじゃありませんか!!

ムッチリーナ! ムッチリーナ! ムッチリーナ!」…。

連呼していると、なんか、イタリアっぽい響きに感じられてくるのは、イタリアが生んだ2名の有名な政治家「ムッソリーニ」と「チチョリーナ」が合わさったようにも聴こえるからでしょうか。

とにかく「ムッチリーナ」ブランドは、ネーミングのインパクトだけででなく、企画内容も時流にマッチしているのでしょう。誕生から8ヶ月間で28タイトル生産の快進撃です。

アダルト業界発の言葉で、一般名詞になったものに、「巨乳」と「熟女」、最近だと「貧乳」「ドS」「ドM」などがありますが、この勢いでいきますと「ムッチリーナ」も、そのようになる日は、あんがい近いのではないでしょうか!

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AV界の錬金術師と僕が評したいケートライブさんが創られた独創的なネーミングは、他にも「地味子は隠れ巨乳」というものあるのですが、これもまた《色白、巨乳、黒髪ストレート、眼鏡っこ》オンリー、という本当に素晴らしいコンセプトに基づいたシリーズであり、ジャケットデザインでして、僕は感心していました。2年8ヶ月の間に34タイトルも重ねたということは、やはり人気作だったようですね。昨年の4月で休止したようで、そこから少しの準備期間を置いて、新たに始動した新ぽっちゃり系ブランド「ムッチリーナ」は、これの進化形、かつ新時代版だと僕は解釈しています。

お詫びと訂正
今回のコラムで「ムッチリーナ」という呼称が、AVメーカー・ケートライブさん独自による造
語であると読み取られるように書きましたが、筆者のその後の調べで、漫画家の有賀照人先生
が雑誌「ビジネスジャンプ魂2010年1月26日号において発表された『ムッチリーナという
タイトルの漫画作品が存在していたことが判りました。

また、AV業界においても、JAMSさんが2012年11月27日にリリースした『躍動ムッチリーナ 
健康巨尻妹・秋元美穂』(監督・SHINKICHI)という作品が存在していました。

筆者の調査不足による事実誤認が原因で、事実と異なる内容の記事を載せてしまったこと、ま
た、記事に関連する関係各位の名誉をそこなわせたことを、ここにお詫びします。
(ほうとうひろし)

 

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