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【現役32年!『おとな48手』著者・レジェンド男優・田淵正浩インタビュー】田淵さんが語る演出を排除した本当のSEXとは!?「いきなり前戯から入ると女性の体は受け入れられない。その前に会話が必要なんです」【前編】

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── 第一章では「前戯」についてお話をされていますが、 AVで観る前戯と、本当の前戯の違いについてどう思われますか?

田淵 よくぞ聞いてくれました! それが一番大事なことなんです。まず、僕らがやっている仕事っていうのは時間が決まっているので、セックスの時間が圧倒的に短いんですよ。

── 40分の尺だったら、それ以内に収めないといけないということですよね。

田淵 そうです。時間を逆算して頭に入れてやっていくので、前戯の指だけの動きで、本当は20分くらいかけたいところを、すっ飛ばして数分で終わせないと間に合わないんです。

── スケジュールに追われてしまっている訳ですね。

田淵 ベテランになると分刻みで完璧にスケジュールを組み立てて、それ通りでやることができるのですが、本来は全てに数倍の時間をかけなきゃいけません。

── AVの前戯の尺では、全然足りないということなのですね。

田淵 もっと正確に言うと、前戯の前にも会話が必要で、いきなり前戯から入ると女性の体は受け入れられないんです。ゴロゴロしてゆっくり話したりする時間が、最低30分は必要なんです。

── 前戯から始まるのが一般的かと思ったいたのですが、女性は前戯の前が必要なのですね。

田淵 そうです。男性が女性と同じシステムって思ってしまっているので、ズレが生じてきてしまうのです。

── そう考えるとAVの前戯というのは、基本的には参考にしない方がいいのですね。

田淵 アレは穴だらけです(笑)。むしろ嫌われますよ。作っているお前が何故それを言う?って感じですけど、「僕らは雇われてやってるだけです」と言うしかありません。

── 私はAVを教科書だと思って観てきたので、前戯は完全に真似して生きてきてしまいました…(笑)。

田淵 モテた経験が無い監督とかプロデューサーが正しいセックスを知らないで、漫画のようなストーリーで突っ走って作るからこうなってしまうんですよ。こちらはお金を貰っているので、チッと言いながら付き合ってるだけなんです(笑)。セックスが終わった後も、30分くらいの会話が必要です。

── コミュニケーションが非常に大切だということですね。

田淵 そうです。しかし男性は、世間話をする能力が欠乏しているんです。「今日天気いいね、あの映画って面白そうだね」みたいな当たり前で簡単な話でいいんですけど、それができない人が多いんですよね。女性は世間話が大好きなので、これをすることによってウォーミングアップをしているんです。

── たしかに僕は結婚しているのですが、妻は世間話が大好きでずっと話していますね。まさしく僕は、それがどちらかと言うと苦手です。

田淵 女性は男性みたいにすぐ着火できない生き物なので、この世間話を30分くらいすることで徐々に準備をしてる訳です。

── そうなのですね。でも、したい気持ちがMAXになってしまった時に、30分も世間話をできる自信が無い場合はどうしたら良いのでしょうか…?

田淵 もちろんその気持ちはわかります。どうしても我慢できなかったら苦肉の策で、元々2回するつもりで、1回目が終わった後に会話をしっかりして、もう1回っていう手はあります。

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