── 栄川さんは歌も演技もできますからね。
栄川取締役 いえ、いえ。女優には向き不向きもあるし、AV以外の仕事がやりたくてもオファーが来るわけではないのでそこは難しいですよね。でも、女優の個性を知ってこそマネージャーも私もアドバイスしやすくなるんです。この活動はこの女優に合っているなと方針を示しやすくなればいいなと思っています。
── そこのギャップはすごくあるし、個性を活かしきれていない女優がいるなと見ていて感じます。
栄川取締役 この女優はこういうことをしたら伸びるのにってありますよね。そこはマネージャー陣とも話して、私が間に入れればいいかなと思っています。あとは所属女優が増えてきて、女優陣で食事に行く機会が増えたんです。そういう場所で悩みを話すこともあるんですけど、会社公式の場所を作れたらいいなという考えが会社にはあるんです。
── オープンでいい会社ですね。
栄川取締役 公式の場所ですけど食事に行く感覚で話してくれたら、女優陣も話しやすいすいので、月に1、2回くらいそういう場を作りたいと思っています。あとは応募してきた人の面接にもたまに参加してほしいとも言われています。
── それも新しい流れでいいですね。現役女優が面接にいれば、これからセクシー女優を目指す人も安心して面接に来れます。
栄川取締役 でも、「なにこの人？」って思われるんじゃないかと(笑)。
── 栄川さんなら知名度抜群ですよ！
栄川取締役 私はなんとなくこの業界に入ってきたんです。でも、いまは「やる気があります！ 売れたいです！」って感じの人が多いから、そこまで気を張らなくても大丈夫だよって安心してもらう係になろうかと思っています。
── いまアダルト業界は意志のある人間しか通用しない世界になっていますからね。
栄川取締役 もちろん所属女優で不安がある人には頑張って個性を伸ばしていきますが、いまから入ってくる人たちにはそんなに身構えないでほしいなって思います。あまり身構えていると自分を追い込んでしまうから辛くなるじゃないですか。それはしてほしくないと一番思っています。自分らしくいてくださいということを伝えたいです。
── 取締役になり変えていきたいことはありますか？
栄川取締役 弊社は所属女優が少人数なので全員の個性を見ていてくれていたのでそこは変えずに、より所属女優が発言しやすくなり、やりたいことを言えたり、不安を相談できたりするるような体制を私がアシストしたいです。
AV女優という軸はあるけどそれのみの活動だけではなくて、女優を辞めたあとどうすればいいのか、これからの活動はどうすればいいのかなど、個性を発揮させられる事務所にしたいです。
── 女優引退後の問題はかなり重要です。栄川さんは引退後も取締役で活動できますが、その後のケアまでなかなか行き届きません。
栄川取締役 そこを考えてAV以外の活動でなにができるのかをやらせていると思います。引退後の道も導けるお手伝いもできたらいいのかなと思います。みんな最初は分からないけど、活動をしていくうちに自分が向いている方向性を見つけていますよね。なるべく本人が目指す方向性で引退を迎える形が今後の課題です。
── 恵比寿マスカッツが一段落したのも今回の流れに通じますか？
栄川取締役 恵比寿マスカッツが終わっていなかったらまた違ったと思います。恵比寿マスカッツがあったら取締役にはなっていなかったです。まあ、分からないですけど(笑)。でも、取締役にはならなかったと思います。
── 両方の活動は大変ですか？
栄川取締役 はい。だから、節目だったと思います。
── 恵比寿マスカッツが解散して、どういう感想を抱きましたか？
栄川取締役 卒業ライブでは「終わるんだな」って思いましたけど、数日後は「本当に終わったの？ また来月ライブがあるんじゃない？」という感覚でした。メンバー全員が「あれ？」みたいな感覚でした。
── 解散ライブ発表から解散までバタバタ感がありましたよね？
栄川取締役 いきなりでした。前から聞いていたわけではないので「えっ！？ あと少ししかないじゃん」みたいな感じだったので急でした。
── それでは取締役になったこともあり、今後の抱負をお願いします。
栄川取締役 現役女優が取締役就任という前例がないことをしているので私が私らしくいられるようにしたいです。自分が変わったらイヤじゃないですか(笑)。取締役の役職名がインパクト強くて、みなさん仕事がしにくくなるのが心配です(笑)。でも、そこは気にせず栄川乃亜は変わらないので気を遣わないでください。いろんなことにチャレンジして、やれることの可能性も広がるので取締役をやりました。今後とも栄川乃亜を変わらず応援してください！
（インタビュー：デラべっぴんR 撮影・構成：神楽坂文人 インタビュー協力：ライフプロモーション）
