ピンク映画での活躍はもちろん、近年では『性の劇薬』や『アルプススタンドのはしの方』などで話題を呼んだ城定秀夫監督の特集上映「梅雨の城定祭り2021 inポレポレ東中野」が、東京・ポレポレ東中野で6月5日から18日まで行われています。
6月10日にはロッテルダム国際映画祭に主演のピンク映画が出展され、国際的な活躍をみせる山岸逢花ちゃん主演『扉を閉めた女教師』の上映と舞台挨拶が行われ、城定監督と逢花ちゃんが登壇しました。
扉を閉めた女教師
作品は逢花ちゃん演じるセクシーな女教師といじめられっ子の男子高校生が夏休みに体育倉庫に閉じ込められた監禁劇で、まさに思春期男子の妄想を具現化したエロス溢れるものとなっている。
上映後の舞台挨拶で、初めて逢花ちゃんを撮った感想を聞かれた城定監督が「本当に素晴らしかったです」と誉めると、「え～！ うそ～！」と驚きの表情を見せる逢花ちゃん。
城定監督の撮影現場の感想を聞かれた逢花ちゃんは「監督があまり指示を言わないじゃないですか。結構、自由にやっていいんだなって思った」とコメント。
印象に残っていることを聞かれた逢花ちゃんが「オレンジをあんなふうに食べたことがなかったので斬新でした。食べているときはエロチックに見えるか心配だったんです」と答えると、城定監督が「今日、（映画館の）後ろで観ていたんだけど『わ～、これはエロい』って思いました」と絶賛。このシーンをきっかけに怒涛のカラミが展開されるので、同シーンは必見です。
撮影での大変な思い出を聞かれると「場所が体育倉庫だから1日中いるのが大変でした。私は飽き症なので一つの場所にずっといてセリフを言い続けることが大変だなと思いました」とコメント。
女教師役はやったことがあるか聞かれると「あまりやったことがないです。1作品くらいありましたけど、教壇に立つと緊張するし、すごく恥ずかしい」とのこと。これを聞いた城定監督は「さまになっていたよ」とまたまた逢花ちゃんを絶賛。
今後は「旅館の女将をやってみたい」と次作への意欲をみせた逢花ちゃん。城定監督作品で再び逢花ちゃんをスクリーンで観たいものです。
そして、舞台挨拶後に当サイトの取材に応じてくれた逢花ちゃん。このところ『無慈悲な光』や『橘アヤコは見られたい』で演技の評価がますます上がっていることへの感想を聞くと、「ありがたいです。いつの間にかこんなに作品を撮ってもらって、気が付いたらこうなっていました」とコメント。
映画作品へ挑むときの心境を聞くと、「セリフを覚えるのがめちゃくちゃ苦手で、現場に入る前はめちゃくちゃ緊張しています。テストで緊張をほどいて、本番でやっと本領が発揮できるんです」と意外にもセリフ覚えが苦手なことを告白してくれました。
ピンク映画、Vシネマを含め3本しか出ていないのに堂々とした演技を見せたことを評価すると、「とんでもないです。台本が面白く、セリフも面白く、映画は間を使っていいんだなと思いました。映画としての面白さがいっぱい詰まっているので、私も楽しく台本を読み、撮影現場に入れました」と映画撮影の面白さに目覚めた様子。
今回演じたヘンミはイヤな女教師役だったので、全く逆の性格の逢花ちゃんはどこに気をつけて演じたか聞くと、「イヤな女教師でしたよね。もう山岸逢花とは別と考えるしかなかったです。テンションも全然違うし。今回、観てくれた方は『こんな感じの山岸逢花もいるんだ』っていうことを楽しめたんじゃないですか。投げやりに言葉をぶつけることも普段はないので、演じていて楽しかったです」と別人格を演じる楽しさを語ってくれました。
教え子の男子高校生と一緒に体育倉庫に閉じ込められるのだが、現実では誰と一緒に閉じ込められたいか聞くと、「誰といたいかな？ 誰かな？ 竹野内豊さんです。優しいから」と悩みながらもコメントしてくれました。
そして、最後に俳優・山岸逢花としてファンへメッセージを求めると、「俳優としてなんて、とてもおこがましいです。映画的な面白さがたくさん詰まっていて、私じゃない感覚で観られ楽しかった作品なので、じっとりとした中にエロが展開されていく感じを一人夜中に楽しんでほしいです。また、映画が公開された時には観に来てほしいし、DVDが発売されたら買ってほしです」と笑顔でメッセージを送ってくれました。
投げやりでどこかぶっきらぼう、しかし、性に対しては人一倍貪欲な女教師役を見事に演じた逢花ちゃん。これまで見られなかった一面が見られ、エロティックな要素も十分に詰まった作品ですので、ぜひ、観てください！
