首都圏を中心に『完全個室』を謳ったネットカフェが増えている。個室の作りがパーテーションではなく、他の客から覗かれる、あるいは聞き耳をたてられる心配がないのが特長だ。
そんなネカフェで、今、売春が大流行している。
都心の個室ネカフェが新たなウリのスポットに?!
一人でカップルシートに入り、出会い系に「今から漫画喫茶で遊べる方いませんか?」と書き込んで、個室に呼び出してはエンコーしているそうだ。
待ち合わせに向かう手間がいらないし、店内まで呼び出せばドタキャンされる率も下がる。しかも完全防音だからバレっこない。願ったり叶ったりの空間なのだろう。
てことは、カップルシートをノックして回れば、簡単に援交女が見つかるはず。いっちょ直接交渉してみっか。
平日の夕方4時、池袋北口の風紀の悪い繁華街へ。完全個室マン喫チェーン『C』の池袋店に向かった。
料金は、一般的なマン喫と似たようなもんだ。ちなみに、カップルシートは『3時間パック』で1940円、『6時間パック』で3200円。援交女からすれば、多少の出費はかかるがゴロゴロできるんでオッケーって感じだろうか。
ひとまずシングル席を選び、ビジネスホテルの廊下のような通路を進み自分の個室へ。1.5畳くらいの完全な密室だ。壁につり下げられたビニール袋の束が気になった。
『布やゴムなどのゴミは、この袋に入れて、ゴミ箱にお捨てください』
ゴムって何だよ。ストレートだな。では、カップルシートをノックしにいこう。
廊下のフロア案内板で場所を確認したところ、部屋数は約20。普通にカップルが出てくる場合もあるだろうが、そのときは「間違えました」と誤魔化せばいいだろう。
ノックしては「間違えました」を繰り返すことしばし。6つ目の部屋のドアが開いた瞬間、ハッとした。カップルではない。ハタチ前後のお一人女だ。
「すみません。さっき、オネーさんを廊下で見かけて」
「…はぁ」
首をかしげられている。もちろん見かけた云々はウソだが、そんなことはまあいい。
「タイプだったもんで、どうしても声をかけてみたくて」
「……」
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