ついに髪を綺麗に梳いて暴漢を待つ女になった私……
アタッカーズAVのヒロインに求めるものの大きな要素は「お嫁さんにしたい」感だ。春菜はなは、もう完璧にそこを満たしてくれるので、冒頭からおっちゃんはカウパーが出たし、ああっ可哀相! と手に汗とナニを握って作品に没頭できるわけ。わかるよね?
はなの旦那は過労で身体を壊して入院している。以前から腹痛を訴えていたが、はなは多忙な旦那を無理してでも病院に連れて行かなかった自分を責めている。そんな貞淑な妻だ。癒し系で奥ゆかしく、首から下は爆乳が映えるダイナマイトボディ。もう完璧に憧れる嫁さんです。
旦那を見舞う際に、まだ妊娠していないのに、赤ちゃん用の服を買ってきて見せる。退院したら、早く赤ちゃんを作ろうネ、との会話がグッと来る。
同じ病室のカーテン越しの隣のベッドに入院しているのが佐川銀次扮するレイパーだ。病院内で、はなを待ち伏せて、言う。
「夜、寂しいでしょ?」
はなは当然、銀次を嫌悪するが、旦那より先に退院した銀次が家に訪ねてきた。旦那に借りていた本を返したいというので招き入れる。ここで、銀次の奥さんがあの病院で病死したことが彼の口から明かされる。「オレは多忙にかまけて女房の癌に気づいてやれなかった」と自分を責める姿を見て情にほだされる。銀次は性欲を制することができず、抵抗するはなをソファで犯す。脱がしながら、
「本当は誰かとこんなことしたかったんじゃねーのか?」「そんなことないですッ」。事後、「濡らして感じてたじゃねーか」。
悪党にして、男前なアタッカーズ世界の主人公。こいつらの哲学であり美学に同化できないと興奮できないし、アタッカーズAVのシナリオは書けそうで絶対に書けない。
春菜はなAVの醍醐味のひとつは、顔より大きいおっぱいがボロンッと出る瞬間だ。今回は13分25秒目だったが、おっぱい痴女物じゃないので、そこに重点は置かれなかった。ソファで銀次が、がさごそブラを外しながら乳を揉んでいるうちに乳首見えとるがな、というショボーン顔文字が浮かぶ残念なポロリだったし、銀次のリアクションも皆無。しかし、ここが重要なのだ。
銀ちゃんが「わっ。で、でけえなオイ!?」と老眼鏡でもかけて乳を見始めるヤスい暴漢だったら、はなちゃんは以降の彼とのFUCKを断固拒んだはず。1カラミしかない30分作品になっていただろう。VHSテープ時代のAVやがな。
巨乳ではなく心の寂しさを埋めてくれるいい女として求められているとわかったから拒絶しきれず、正常位で責められている最中、ついに「許してッ」と旦那への謝罪の言葉を発するのだ。
身体も心も奪われ中出しされてしまう哀れなヒロインにワイも心と海綿体を奪われた。ラストは旦那が退院し、後日、嗚呼、はなちゃん妊娠発覚。名作です。
(掲載/『月刊DMM 8月号』)