テレクラキャノンボールシリーズを影で支える『平沢審判部長』って何者？
ハイテンションでカンパニー松尾監督らとキャッキャと騒ぐ名物キャラだが意外と何をする人なのか知られていない謎のおじさん。彼の正体と噂される令和版テレキャノについて聞いてみた。（後編）
色んな意味でビーバップみのるはテレキャノを救ったと思う
── 2009年に10年ぶりに復活しますよね。
平沢 あれはハマジム（カンパニー松尾監督が所属するAVメーカー）がAV OPENに出したいってことで。
── その間の10年間でまたやろうって話は出なかったんですか？
平沢 金が掛かるしおいそれとはやれないよね。
── 復活したキャノンボールは何か変わってましたか？
平沢 今までも色んな面白い人が出てくれたんだけど、ビーバップみのるが一番スペックが高いなぁって思った。ナンパ力とか男優力はないかもしれないけど制作者としてのスペックが高いなと。他の出演者ももちろん凄いんだけどビーバップみのるは最初に会った時からクリエビリティが高い人だった。
── 誰がビーバップみのるを抜擢したんですか？
平沢 松尾監督。色んな人が候補に上がったんだけど、色んな意味でビーバップみのるはテレキャノを救ったと思う。テレキャノって花岡じったさん撮ってればある程度面白くなっちゃうんだけど花岡さんていうボケ担当がいなくなってどうだろうって思ったらビーバップみのるいういいキャラが上手くハマった。
── 花岡じったはなんで参加しなかったんですか？
平沢 家庭の事情です(笑)だってあの人セックスできない現場嫌がるんだもん！ まぁ花岡じったはワイルドスピードのポールウォーカーみたいな感じで、いなくなったら困るかなと思ったら割となんとかなった(笑)
── 加点方式って最初の頃ないですよね？
平沢 あれは山下監督のせい。あの人負けず嫌いだから曖昧なジャッジだとゴネるからね。それで最初は審判部長って肩書きじゃなかったんだけどジャッジしてポイントつける係になって審判部長(笑)
── 10年ぶりに復活して評判も売り上げも悪くなかったキャノンボールですけど次回作まで4年空きますよね？
平沢 それは単純にお金が掛かるからですよ。でも、水面下では次回作の準備をずっとしてたんですよ。準備というか資金を貯めてた。
── そして社会現象にもなったテレキャノ2013になるわけですけど。最初から劇場版として制作したんですか？
平沢 夏に撮影して、その年の暮れのロフトプラスワンのイベントで来年テレクラキャノンボールが復活しますって発表するから来てくれって出演者全員呼ばれたんですよ。そこで過去の作品を上映して皆んなで松尾さん若〜いとか盛り上がって。ドッカンドッカンウケるのよ。で、最後に新作のダイジェストがあるんで観てくださいって上映したらテロップで年明け劇場公開決定って出たのよ。
── えっ、そこで初めて知ったんですか？
平沢 そうだよ！ ひっでーって思って(笑)松尾監督以外誰も知らなかったのよ。
── こんなに世間を巻き込んだブームになると思ってました？
平沢 劇場版を公開した時は実感ありましたよ。俺キャノンボールのちょっと前に一般のサッカーのドキュメンタリー映画を制作をしてまして、そこで映画の興行のシステムを理解したんですけど。松尾監督は初めて映画を上映する人で配給も付けずに自分でやってたんですよ。まぁ記念で上映するって型だったんで。松尾監督自体は劇場公開にあんまり良い印象がなくて。大きいスクリーンで皆んなでセックスシーン観るってキツイし、そこカットしちゃうとパッサパになっちゃうし。そこが問題っていうか平野監督(自転車三部作などを手掛けたAV監督)のわくわく不倫旅行とかも中々融合できないものがあるんですよ。
やっぱりAVって家で一人で観るものであって、劇場で観るもんじゃないんだなぁって思って。自分の知り合いの劇場の人に実はテレキャノを劇場で上映するって話した時も意見真っ二つでそんなすごい物を映画館で！て言ってくれる人と映画館も落ちたなぁって呆れる人と。その時に映画関係者から言われたアドバイスが、「毎日劇場に行け」ってこと。松尾監督に話して毎日行ってもらいましたよ。行けば誰かしらのAV監督に会える！ってなると観にくるやつがいると。
映画館に来る人って必ずAVファンとは限らないんでAV監督もAV男優も初めて見る可能性もあるわけだから。その時に松尾監督にこれワンチャンありますよって言ったんだけど、松尾監督はそんなのあるわけねーじゃん！ これ記念だからって笑ってましたけど。ただ、ここまで大ごとになるとは思ってなかったんで松尾監督は捕まっちゃうってビビってましたけど。途中からはもうこれくらいで……ほどほどで良いですって祈ってた。
