スピーカーから聞こえる喘ぎ声とスクリーンの薄明かりが妖しい雰囲気を漂わせるポルノ映画館。
そんな場所で、男漁りを続けているという女がいた……
果たして、その美しい女性の内面には、何が潜んでいるのか!?
ポルノ映画館に出没する女…
ポルノ映画館。湿った空気の中、大スクリーンに映し出される濡れ場。しかし、食い入るように画面に見入る男性客は少なく、スピーカーから流れる女優の喘ぎ声に入り交じり、ザワザワ、ガヤガヤと雑音が交差する。中には競馬新聞を眺めながら、はばかりなくタバコをふかす常連客らしきオヤジの姿も……。
これが、記者がポルノ映画館と聞いて思い浮かべる風景だ。まさにそれは昭和、のイメージである。
そして今、喫茶店で記者と向かい合わせに座っているひとりの女性。彼女の名前は木下裕美子(35歳・仮名)。しなやかな黒髪にはっきりした顔立ち。すらっとしているが細すぎず、色気のあるボディ……独身であることが不可解なほどの、三十路の美人OLだ。
そして、この裕美子が足しげく通っているのが、ポルノ映画館だというのだ。
裕美子を紹介してくれたのは、日頃から淫乱女性を多く取材している女性ライターの中山美里氏。いわく
「ポルノ映画館で逆ナンしてるらしいの。美人なんだけどすごくエロいのよ」と。
元カレに刷り込まれていた性癖…
「それまでの自分とはまったく関係のない生き方をしている男性ばかり。そんな中で淫らな姿を晒すことに興奮を覚えるようになってしまったんですよね」
照れくさそうに笑いながら、小声で記者の質問に答える裕美子。
「初めてポルノ映画館に入ったのは5年前です。そのとき付き合っていた彼氏が少し変態で(笑)。私をポルノ映画館に連れて行って、体とかを触ったり、周りの人に見せつけるのが好きな人だったんです。真夏に超ミニスカートを履かされて、ノーブラで買い物をさせられたりもしました……」
初めは我慢していたが、そのうちに彼の性癖についていききれない自分に気づいたという彼女。みずから決断して別れを告げたのが1年前のことだそうだ。ところが別れてみて初めて、彼女は自覚してしまったのだ。
「彼と別れてセックスから離れてしまい、どうしてもオナニーしたくなるんですが……自分でアソコをいじっていると必ず思い浮かぶのが、映画館で晒し者にされている自分の姿だったんです」
別れてすぐは、それでもオナニーするときだけの妄想ネタで済んでいたという裕美子。しかし、友人に誘われた飲み会に参加するため久々に訪れた繁華街で、記憶がフラッシュバックした。
「昔、彼に連れて行かれた映画館がそこにあったんです。友人と飲んでいる間も昔の記憶が頭から離れなくて……少し酔っぱらった状態で友人と駅で別れて私、気づいたらフラフラと映画館の方に向かって歩いてたんですよね……」
男たちの視線を浴びてオナニー
時刻はそろそろ終電が近いという時間帯。裕美子が厚い扉を開けると、スクリーンの薄明かりとともに女優の喘ぎ声が聞こえてきた。コツコツとハイヒールの音が館内に響くと、まばらな男性客が一斉に裕美子の方を振り向いた。
「その瞬間、もうアソコが濡れてきたのが分かりました。私は後ろの方の座席に座ると、以前彼に命じられてしたようにオナニーを始めたんです。スカートをまくってパンティに指を入れると、家でオナニーするときとは比べものにならないほどビチョビチョになっていました」
映画館にいた数人の男性客も気がきではない。薄暗い中、突如ポルノ映画館にひとりで現れた淫乱女の姿を確認しようと、立ち上がって裕美子の方に視線を向けていた。
「少し酔っていたのもあると思いますがすごく大胆な気持ちになっちゃって。そのうち前の座席に広げた両足を乗っけて、アソコを見せつけるようにパンティを横にずらして……指まで挿れてグチュグチュ掻き回してたんです。そのうち指1本じゃ物足りなくなって人差し指と中指を両方挿れて……」
男たちの視線を感じながら、頭が真っ白になるほど快感に没頭した彼女。すると突然、耳元に声が飛び込んできた。
「ねえちゃん、チ●ポほしいんじゃないの?」
もうろうとする意識の中で横をみると、そこにはハンチングを被った中年男のニヤケ顔があった。
「不思議と恐いという感覚はなかったんです。もしろ、それを待っていたんだと思うんですよね……。私、タバコ臭い息のするそのオジサンの口に、貪りつくようにキスしたんです」
狭いトイレにひとり残され…
「ああああ、もっと、もっと……あああ……ンッ」
裕美子は映画館のトイレの個室で、中年オヤジに立ちバックで貫かれた。その途中、トイレに数人が入ってくる気配がし、
「マジでやってるよ」
「すげぇな、あの女」
と小声で囁くような声が聞こえてきたそうだ。
「扉の外にギャラリーができていると思ったら余計に興奮していました。でも、私がイク前にオジサンが出しちゃって……ありがとなって言ってオジサンが個室を出たんですが、そのときはもう外で聞いてた人たちもいなくなってんたです。で……その日はひとり残されたトイレでオナニーの続きをして帰りました」
その日以降、彼女はムラムラするとポルノ映画館に出掛け、今では自分から逆ナンしてセックスを楽しんでいるのだとか。
「ちょっと汚い格好をしてるくらいの、中年のオジサンがいいんです。そんな男性に汚されてる自分に興奮しちゃうんですよね……」
もしかしたら、あなたの住む街のポルノ映画館にも、裕美子はいるかもしれない。
(掲載/「実話大報」2017年7月号)