淫靡だがどこか猥雑な魅力を放つ昭和ストリップ。その内実を知るストリップ劇場芸人・松本格子戸がその舞台裏を語る連載コラム!
かつては栄華を誇ったストリップ劇場の今
◯閉館になった劇場 現在の姿はいかに
今回のテーマは、「閉館になったあの劇場は今?」です。渋谷にあった【渋谷OS劇場】は同じ場所でギャラリーカフェバーとして営業中。この場所が昔ストリップ劇場だったなんて、誰も思わないでしょうね。ただ、モギリの場所や楽屋には、昔の名残りがあるようです。
シアター上野の4軒隣にあったのが【上野スターミュージック】です。客席数20に満たない小さな劇場でしたが、現在はガールズバーとして営業中。ビルの外観を見ただけでも「ここに劇場が?」という感じで。ガールズバーというのも分かりますね。
【新宿TSミュージック】は昨年1月15日に閉館になったのも記憶に新しいところ。雑居ビルの中にある、いわゆるテナントです。次に入った業種はこれまたガールズバーで劇場だった面影すらなく、感慨にも浸れなかったと、常連だったお客様が嘆いてました(涙)
【新宿OS劇場】は、新宿で最後まで本番マナ板ショーをやっていた劇場です。あまりにも過激な演目が当局に目をつけられるハメに。最後の社長は元漫才師の高峰洋裁・和裁師匠のどちらかがやられており、必然的に本番マナ板ショーや外人本番ショーの幕間にコントが入っていました。新宿西口にあった跡地は、なんと河合塾です(笑)
茨城県水戸市の【水戸コマ劇場】跡地はマンションが建ち、【水戸エースミュージック】は立派な舞台も、併設された「踊り子」という名のスナックもそのまま廃墟になっています。大衆演劇でも寄席でも、何か活性化できればと心から思いますが、なかなか無理なのでしょうかねぇ。
ストリップ劇場廃墟の王様と言っても過言ではないほど有名なのが【明野劇場】です。廃墟写真展や踊り子さんが写真集には必ずと言っていいほど使われます。閉館後に火事になり、そのままの状態で放置。現在は屋根も朽ちて本舞台と花道は崩れていますが、盆だけは残っています。
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