数年前からのガソリン価格の高騰などで、貧乏旅行者の間でライドシェアが定着している。目的地まで車を相乗りして、高速代や燃費を割り勘にするというものだ。里帰りなどを考えている貧乏学生などが、ネットのライ ドシェア募集掲示板にかじりついて仲間を募るわけだが、 そこにはもちろん若い女たち も混ざっているわけで……。
「水着とか持ってるの?」 「はい」
オレがライドシェアを使い始めたのは2年ほど前になる。
仕事の絡みで東京から名古屋方面へ車で移動する機会が多く、女の子を乗せることができれば、あわよくば仲良くなってセックスに持ち込めるかも、なんてことを考えたが、セックスとまではいかなくとも、退屈な車の長旅を女の子と一緒にできるだけで も楽しいはずだ。
利用するのは某大手ライドシェアサイトだ。
『私は某企業の会社員で、同級生たちとゴルフに行く予定です。同乗者に女性が1人決定していますが、欠員が出たため、追加で募集いたします。車は禁煙で大きめのワンボックスです。希望負担金額:5千円希望』
男の車は警戒されてなかなか女の子が応募してくれないだろうから、すでに女性同乗者がいることにして、当日、 ターゲットが来たら、女性同乗者がドタキャンしたことにすればいいだろう。
・・・ ところがこの作戦、現実には男からの応募ばかりで、女の場合は2~3人のグループばかり。もちろん男には断りのメールを入れ、女グループだけは、どう転ぶかわからないので、とりあえずは名古屋まで乗せてやるという無為な活動が続いた。
その年の夏、ある出来事があった。例のごとく3人組の女子大生を乗せて走っていたら、左手に海が見えた。
「海キレイだな〜」
「え〜入りたい〜」
「水着とか持ってるの?」
「はい」
夏休みの帰省だけに、そのへんの準備はしているようだ。
「じゃあ、ちょっとビーチ寄ってみる? 俺、どっか行っとくし、車で着替えたらいいよ」
てな流れで、彼女らは水着に着替え、ちゃぷちゃぷ遊んで、また車に乗って、という流れになったのだが、ここで閃かないヤツは男じゃない。つまりあれをこうして、こうすれば・・・。
次ページヘ