これまでの検挙歴4回。実刑まで食らいながらも30年間痴漢を続けてきた男の激白痴漢手記(後編)。
痴漢歴30年の男が語る衝撃の痴漢暴露手記(前編)はこちら↓
2人きりの空間がそこに広がっている
痴漢は具体的にどうなされるのか。一般的な例を知っておくのも、防御の一助となるだろう。
彼らはまず、女性の尻に手の甲をすっと当てる。電車の揺れのタイミングに合わせてその手を上下に動かすのである。まだこのレベルでは意図的かどうか相手には見分けがつかない。
続いて、その手をひっくり返して手のひらを尻に当てる。このときの緊張感と、女性の生暖かい感触がもたらす高揚感。この中毒性に痴漢たちは侵されている。
手のひらでさすった時点で相手が動いたり逃げる素振りを見せなければ、攻めの勢いを強める。パンストの上から暖かい股間付近をさすってやり、中心部へ。湿り気を帯びた陰部をぐいぐいと中指と人差し指で押し付けてやると、まるで2人きりの空間がそこに広がっているような気分になる。
仲間同士でいつも話したものだが、この時の我々というのは不思議な全能感を持っている。
いま、自分は公共空間でとんでもない行為をしでかしているのに、まったくそんなことは気にならなくなるのだ。
ターゲットがパンストを履いていた場合、直接指を中まで忍び込ませるのは困難だが、パンツだけの場合は中に滑り込ませて指を動かす。ただし、ひと駅区間の平均5分間だと現実的にここまでいくのは難しい。指入れに到達するには、2駅以上移動してもなおターゲットとのポジションが変わらず、相手が逃げたり抵抗しない場合に限られる。
このような幸運が舞い降りたときは、本来降りる予定の駅を通過してターゲットにへばりつくことになる。電車が混雑している限り、ターゲットをずっと狙えるからだ。
私の場合、最長で20分強、大学生風の白ワンピース女性に指入れを続けたことがある。そこまで抵抗がないのだから、「もしかして」と思い、彼女が降りた駅で話しかけてみたものの、無視されてしまった。こういう不思議なことは稀にある。
パンストを破って指入れを行う強者もいるが、私はやらなかった。いや、正確に言えば10年ほど前に一度だけある。
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