2018年に「3日間シリーズ」が空前の大ヒットを果たし、今最も〝監督名で作品が売れる〟と言われる朝霧浄監督!前編では、現在Twitterで話題となっている『朝霧流AV演出』の「強い逆光、ワンシーン・ワンカット、定点観測、スマホ主観」のお話をして頂きました!
中編でも一個一個とことん深掘りしていきます!では、その一部始終をご覧下さい!!
↓前編はこちら
「僕は、気持ちでお芝居をしてくれるのが一番いいと思っています。」
—— では、お次は「感情の流れ」について教えて下さい。
朝霧流AV演出⑤ 感情の流れ
現場で女優にシーンの説明をする際は、セリフや動きだけでなく、どのような感情を抱いているかを明確に伝える。時には企画意図とともに台本に明記する。ドラマものの面白さは、主演女優の感情の変化とそれに伴うセックスの変化に尽きると言っても過言ではない。 pic.twitter.com/oHYYyxWBXP— 朝霧浄(AV監督) (@asagirijoe) October 5, 2020
朝霧浄監督(以外、朝霧)まず僕は、気持ちでお芝居してくれるのが一番だと思っています。プレイが5つあったとすると、全て気持ちは違うはずなので「これはどういう気持ちでやってるの?」というのをわかりやすくする為に表を作っています。それが割合、女優さんに伝わりやすいのかもしれませんね。
(表について架乃ゆらさんがTwitterでコメントしています)
これ!!!!これが台本にのってるので朝霧さんのAVはめっちゃ気持ち乗せやすいんです!!!いつもありがとうございます!!!!!!!! https://t.co/BHmcibMTBY
— 架乃ゆら (@kano_yura) October 5, 2020
朝霧 現場っていうのは必ずしも、シーン1から順番に撮っていけるわけではないんですよ。色々な撮影の都合で、ラストシーンから撮らなくてはいけなかったり、間のシーンから撮らなくてはいけなかったり。
すると女優さんは、「今、私ってどういう気持ちなの?」と混乱してしまうんですよね。なので、「ここではだいぶ悲しいはずよ!」とか「いや、ここではだいぶ開き直ってるはずよ!」とかを一回一回説明するんですけど、だったら表にした方が早いんじゃん?ってことから表を作ることになりました。
特に、この表はお芝居を一生懸命取り組まれている女優さんには好評で、表をつけることによって自然とアドリブを出してくれたりする効果もあるんですよ。「悲しい」というシーンだったら、勝手に「悲しいことを言うはず」と思って言ってくれますし、「子供に返っている」シーンだったら、自然とそういう喋り方をしてくれるんです。そんなことを考えてやってもらうことを期待して、表を付けているところもあります。
朝霧 映画でもそうですけど、やっぱり主人公の気持ちが変化しないと面白くないと思うんですよね。時にはへこんだり、悲しんだり、怒ったりと。それを主演の方がしっかり演じてくれると、視聴者は引き込まれると思うんです。だから僕は、女優さんに「気持ち」から説明していています。「気持ちさえ合っていれば、セリフなんてどうでもいいから、台本と同じことを喋らなくていいよ」と説明すると、演じる側も演じやすいんじゃないかなって思っています。