“女優さんのキャラクター”から考えなきゃいけない
—— では、お次は「決めカット」について教えて下さい。
朝霧流AV演出⑥ 決めカット
作品全体を象徴する強い印象を残すカット(いわゆるエモい画)を作品にひとつ用意する。サンプル動画やDVDのパッケージを見たユーザーに一瞬で興味を持ってもらうことが重要。コツはない。頑張って考えるのみ。(ワンシーンのために雪降らしマシン買いました。) pic.twitter.com/T7Ba3Yzrb7— 朝霧浄(AV監督) (@asagirijoe) October 8, 2020
朝霧 僕らの仕事って、ユーザーの方にサンプルを見てもらって、興味を持ってもらい、購入してもらうというのが最終的な仕事なんですね。なので、まずは興味を持ってもらう為の、ワンカットを何とか考えなきゃいけないということです。
あと、こういうのがあると女優さんは喜んでくれるんですよ。「カッコいい!エモい!出てよかった!」って思ってもらうことも、監督としてはとても重要なことなんです。僕的には、出会った女優さんの〝代表作〟を作ってあげたいという気持ちですね。
—— ここ数年で、朝霧監督が特に気に入っているワンカットを教えて下さい!
朝霧 んー、色々撮ったからなー(笑)。でも、Twitterに投稿したやつは気に入っていますね。まず、美谷朱里さんの作品は、ガッツリとコロナに触れたものを作ってみようと思って、「マスク越しでもキスがしたい」って思える話を、美谷さんの為に作りました。
朝霧 あと、とても印象深いのは本庄鈴さんの作品です。失礼な話なのですが、彼女と初めてお会いした時に「この人、怒っている時が一番顔綺麗だな」って思ったんですよ。笑っている時よりも、キリッとした表情の方が魅力的だなって感じたんですね。
なので「本庄さんの表情がキリッとなる話」を考えました。「主人公の男には笑顔を見せず、どこか遠くを見ている人」みたいなところでまでキャラ設定を考えて、屋上のプレハブの上から遠くを見ているシーンを作ったという感じです。
朝霧 石原希望さんの時は、メーカーさんから「幼馴染で隣同士に住んでる」っていうお題が出ていたので、これを一枚の画で表現するには「ベランダ越しで、身を乗り出してキスしてる」シーンを作ろうみたいなことを考えて作りましたね。
こちらが考えた企画を押し付けるのではなく、“女優さんのキャラクター”から考えなきゃいけないと、ここ最近は特に思っています。