「月で逢いましょうvol.10」
ミルキーポップジェネレーションが提供するコロナ禍での新たなるライブ「月で逢いましょうvol.10」が4月12日に東京・三軒茶屋グレープフルーツムーンで開催されました。
記念すべき10回目のライブに出演したのは戸田真琴(以下、まこりん)ちゃん。これまでバンド編成のライブには出演したことはありますが、同ライブは初登場! 独自の世界観を持つまこりんだけに、どのようなライブを見せてくれるのか非常に楽しみです。
ステージに登場したまこりんは観客がソファーに着席している様子を見て「家にいるみたいだね」と、リラックスした表情で観客に声をかけます。また、ライブハウスの名前が「グレープフルーツムーンだから『MOON』のヘアピンを着けてきた」と、かわいらしいヘアピンを披露。
比較的ゆったりとした雰囲気でライブはスタートし、1曲目は『旬』(椎名林檎)をカバー。しっとりと歌いあげ、早くも会場をまこりんワールドへと誘います。
続けて2曲目は『木綿のハンカチーフ』(太田裕美)で魅了するまこりん。4月のこの季節にピッタリの選曲です。曲後、「初めてですね、こうやってアコースティックでやるのは」とMC。
3曲目は『1/2』(川本真琴)を笑顔でポップに熱唱。ピアノ伴奏の平方元さんのアレンジが冴えまくり最高の1曲となりました。曲後のMCでは「みなさんどう過ごしていましたか? 今年に入ってから全然、イベントが出来なくなっちゃいましたけど。元気だった人?」と観客に聞くまこりん。まこりんもファンもイベントを欲しているのでしょう。
4曲目はなんと尾崎豊の隠れた名曲『ダンスホール』を切なく歌うまこりん。一体、どのような状況でこの名曲にたどり着いたのか聞いてみたいものです。曲後は思わず「おざき~!」ならぬ、「まこり~ん!」と叫んでしまいそうになるくらいひきつけられました。
5曲目は再び椎名林檎の『TOKYO』を歌うまこりん。曲後は「結構、真面目に選曲しました。どうですか?」と観客に聞くと拍手が起こります。
続けて「私は音楽をやっている人間じゃないので、みんなが聴いてくれるから、自分が音楽を出来ていることにするのは違うなと思っていて、カラオケ大会をやっても仕方がないとずっと思っているんです。『何でAV女優さんが歌を歌うんだろうって?』ってずっと思っていて、それはファンのみなさんが喜ぶからかもしれないんですけど、でも、私はこの世のすべてのステージは芸術のためにあると思っているんです。だから、そこでやる意味があるものをやってほしいと思っているんです。
ミルジェネさんが歌う機会をくださったときに、曲は作れないし楽器は弾けないけど、自分の話を歌で出来たらいいなと思って、いつも曲を選んでいるんです。今回は8曲選べて幸せでした」と、ステージ論を語るまこりん。この強い意志があるからこそ、他の追随を許さない存在感を放っているのでしょう!
そして、いよいよライブも佳境に差し掛かった6曲目は『Hello, my friend』(松任谷由実)を、7曲目は『ヴィンテージ』(ポルノグラフィティ)と畳みかけます。
以上、7曲を歌い終わり一旦、控室に戻りますが、観客の拍手に呼び戻されてアンコールに。アンコール曲はライブのテーマ曲と言っても過言ではない『Fly me to the Moon』を歌います。
「朝、お風呂で日本語の歌詞を考えました。私なりの『愛している』を歌詞にしました」と、途中、まこりん作詞の日本語歌詞で歌う場面も見られ、こういう独自のアレンジを加えるところに戸田真琴という人間の魅力があるのです!
最後の曲に入る前には「寂しいですね」とポツリ。そこへ平方さんが「寂しいと思っているってことは、また一緒にやりましょうよ」と声をかけると、「いいんですか!?」と目を輝かせるまこりん。このやり取りには観客も拍手を送ります。
そして、最後の曲は『BABY BABY』(銀杏BOYZ)を明るくも切ない雰囲気で歌ってくれました。
無事にライブを終えたまこりんと平方さんは満足気にステージ中央でグータッチ。目の前の観客と、配信を見ている視聴者に笑顔で挨拶をしライブを終えました。
アンコールを含め全9曲とも、他のAV女優が歌わないであろう曲を選曲し、独自路線を強調したまこりん。平方さんの言葉通り、また一緒にライブをやってほしいものです!
T:152cm B83(C)・W58・H83
生年月日:1996年10月9日 出身地:静岡県
著書:「あなたの孤独は美しい」(竹書房)、「人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても」(角川書店)
監督映画:2019年『永遠が通り過ぎていく』
Twitter:@toda_makoto
note:https://note.com/toda_makoto
(写真・取材:神楽坂文人)