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おじさんのエグ味とイヤラシさ、図々しさが、過去最高レベルのMAX状態……伝説デザイナーのAVジャケット時評

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AVのいかがわしさを演出する《目伏せ》処理。
その効果的な使い方もどんどん進化している…。

雑誌版『デラべっぴん』の伝説企画“オナマイド”を生み出した名デザイナー・ほうとう氏が選ぶAV秀逸パッケージ♡

犯罪者的な、危険でヤバい、アウト!な状況を演出

昨年末から年頭にかけて、新作AVのジャケットをザァ〜ッと流し見していて、「ん!?」と気になった現象がありました。それは、ジャケ写でのモデルさんへの《目伏せ》に関する試行錯誤についての事柄です。

映像表現における《目伏せ》は、おもに被写体のプライバシー保護を目的とするものですが、アダルト業界に応用されますと、これが《素人》とか《訳あり》を強調する表現となります。

新作AVから好例を紹介しますと、アイエナジーさんの『表参道でみつけた美乳人妻に「新作水着のモデルになって下さい」と声をかけ、撮影でテンションを上げてヌルヌル泡泡ソープ体験』や、

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これは新作ではないですが、プラムさんの『夕刊プラム』シリーズが、それにあたります。

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いかにも訳ありな素人さんの高収入目的なバイト出演イメージが付帯されていますよね。特に『夕刊プラム6』の “自前の手による目隠しスタイル” は、性風俗における女性たちのプロフィール写真やカタログを彷彿とさせて、「バレたらどうしよう?」と心配しながらも写真を撮られ、カタログ化されてしまう素人嬢の不安感までが描写されているように思えます。

今から四半世紀ほど昔の日本には風俗情報カタログ雑誌というものがありました。『CityPress』や『Naotai Magazine』『夜遊び隊』といった雑誌で、全国の名だたる盛場で活躍中の風俗嬢をカラー写真でカタログ的に紹介するという内容でしたが、それはそれは百花繚乱の様相をていしていました。それらのうちのドコが、いつごろから、今も伝わる《モデル自身の手による部分顔隠しプロフィール写真》というものを掲載するようになったのか、そして、いったい誰の発明なのかは、広告写真&デザイン史の研究対象として大変興味をそそるテーマです。が、ここでは先に進みます。

とにかく「素人女性の目伏せや顔隠しは、性的な好奇心を喚起させるのに安上がりで、かつ、効果バツグンである」と繰り返し、声を大にして述べさせていただきます。

が、しかし、このテクが男性モデルに施されている事例に出くわしたのです。しかもそれは、この連載で度々ご登場いただいているメーカー・ミニマムさんの作品群でして、“群” と呼ぶくらいですから数が多い。いずれ劣らぬ傑作群でもあります。古いものから最近のものまで、順番にご紹介しますので、トクとご覧下さい。

いちばん最初の『幼稚な顔してものすごい巨乳。 発育の進んだ女の子たち 2011年~2013年』こそ、制服の白ブラウスの前をめくられ、大振りなオッパイをモロだしにされた女の子があしらわれていますが、肌の面積はAVとしては極少レベルです。

そして、ソレ以降は女の子の裸が一切見られ無い。その代わりにおじさんモデルたちがパンツを脱ぎ捨てて「これはポルノなんだぞ、AVなんだぞ、ヤルことはちゃんとヤってるんだぞ」と言わんばかりに肌露出を担当しています。これらのジャケットにおける目伏せの墨帯は、女性に施された場合のドキドキ感や素人感の演出ではなく、犯罪者的な、危険でヤバい、アウト!な状況を演出するために用いられているわけです。すばらしく高度な、しかもイカガワシさと不道徳さ、不謹慎さが100万点なエロ表現です。

そして、2014年2月に1つの頂点を示す傑作ジャケットが誕生します。ご覧下さい。

これまでとは一転、おじさんは下半身も顔も露出せず(目伏せの墨帯もなく)、だからといって女の子が代わりに肌露出をしている訳でもない。ナント、おじさんの頭が丸ごと女の子のスカートの裾に呑み込まれているではありませんか! 観ようによっては、アングラエロ世界の都市伝説でもある《スカルファック》を彷彿とさせる構図とポーズ! そして女の子のいたいけで切ない表情。

ふと、画面左端のサブタイトルの下に目をやりますと、四角に囲まれた矢印が配置されています。これに促されるように、ジャケットをひっくり返し、裏面を見ますと……

《裏面に続く》

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