……ああ、やっぱりおじさんは下半身を露出させ、嫌がる女の子にイチモツをくわえさせちゃっていますね。女の子の足首には脱がされた下着が。《いたずら後の強制フェラチオ》というタイトルの状況を、ジャケの表面と裏面を連動させて見事に表現しています。これは見事です。ミニマムさん、ついにやりましたね!!
その後、ミニマムさんの、《おじさんのエグ味を目伏せや下半身露出を用いて演出し、女の子には肌露出させない手法》は、2年間もナリを潜めていたのですが、今年になって復活しました。
2作ともおじさんのエグ味とイヤラシさ、図々しさが、過去最高レベルのMAX状態で現れています。しかし、この先に道はあるのだろうか? ここまでやってしまっては、もう手は無いなのではあるまいか……どうなのか……
で、「もう少し別角度のアプローチはないだろうか?」と模索されたのでしょうか(モチロン僕の勝手な妄想です)。最新作『低身長の女の子と楽しめる。大人気の添い寝屋リフレ。』では、初めて “女の子が嫌がっていない、おじさんも奇抜で変態的な状態ではない、しかも目伏せは極小サイズ” という新基軸を編み出してきました。
ロゴ周りも意識的に素っ気ない感がアピールされています(もしかしたら、新たなデザイナーさんの仕事かも知れませんが)。ともあれ、次々に新手の手法を産み出し続けるミニマムさんのデザインワークから、今年も目が離せません!
……と、ここに来て、この《ロリ系+男の目伏せ》に連なるジャンルに、なんとムーディーズさんが参戦してきたではありませんか!! そのデザインをご覧下さい!!
なんと、女性モデルも男性モデルも、完全に同格で、両者ともに肌露出もなく、目伏せも無い。そして、驚くべきことに男女共にニコニコ顔なのです。これは実に意外でした。
今年でその誕生から35年となる日本アダルトビデオのジャケットにおいて、ここで表現されたことは、初の試みなのではないでしょうか!? 僕は『せっくすごっこ〜』の挑戦的で野心的な表現に、たいへんな衝撃と感動を覚えました。今後は『せっくすごっこ〜』も、このデザイン傾向を維持しつつ、シリーズ化されるのでしょうか?
本作の演出である水城洋助監督をリサーチしてみますと、どちらからというと熟女ものの肌露出全開で、いかにも肉食的なデザインのタイトルばかりで、このようなテーマは初めてのようです。
本作に続くような、また裏切るような、様々な野心的試みでもって、これからも僕たちの目を愉しませていただきたい、と切に願っております!
P.S. 今回、冒頭でご紹介したプラムさんの『夕刊プラム』シリーズは、過去11タイトル出ています。どれもスバラシイ写真とデザインによるジャケットですが、本連載が「時評」を謳っている故の“最新作縛り” があったので、昨年の7月以降は新作が途絶えていた『夕刊プラム』を紹介する契機がありませんでした。女性の顔を見せない表現を様々に追求した感のある、同シリーズの美しいジャケット群も、ぜひともココからご覧下さい。
ほうとうひろし◎エロメディア活動歴28年のエディトリアル・デザイナー。 雑誌版オリジナルの『デラべっぴん』には、 同誌創刊2年後の1988年ころから参画。 同誌名物となったエロ紙工作企画「オナマイド」 を10年以上にわたって連載した。 「オナマイド」 の連載を再構成した単行本は計4冊出版されたが、すべて絶版。 その企画の成り立ちや、当時の『デラべっぴん』 編集部の事情に関しては、 有野陽一氏の取 材によるインタビュー集『エロの「 デザインの現場」』(アスペクト・刊)に詳しい。