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どこか異質な空気に満たされた室内…ぞっとするような美しさ…男のアソコではなくカメラを握りしめ風俗街を歩き続ける元風俗嬢〜紅子の色街探訪記vol.29・東岡町遊廓

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裸になったら私のような者でも人に受け入れてもらえるかも。

そんな思いで19歳の時に飛び込んだ性風俗の世界でしたが、甘いものではありませんでした。30歳をすぎたころには肉体的にも精神的にも限界にきていました
肉体労働でもあるソープの仕事、そしていくら頑張っても一般社会では決して受け入れられる事のない、評価される事もない風俗の世界。

深い谷底から社会で働く人達を見つめ嫉妬や絶望感のようなものを感じていました。

50代になった現在、不器用な生き方しかできなかった過去の自分を後悔したまま人生を終わらせたくない、これまでの人生をなかった事にしたくない。
だから今私は自分が居た場所がどんな歴史を辿ったのか、その事を知りたくて写真に記録しています。

先日、奈良県大和郡山市にある元遊廓の建物が「特定空き家」に認定され解体工事に入るとの情報を聞き、急遽東京から奈良へ向かいました。
解体工事がはじまる前日でした。
東岡町遊廓の跡地に佇む巨大な三階建ての元妓楼です。

この場所がかつての歓楽街であったことが信じられないほどの静かな住宅街。
窓ガラスはところどころ割られ、扉も一部外され中の荒れ果てた様子が見られます。
隙間から中を覗き見ると、天井からは何やら白い物体が…貝でできたシャンデリアがぶら下がっています。全体的にどこか異質な空気に満たされた室内、ぞっとするような美しさでした。
そしてよく見ると、布団までもが残されていました。当時使われていた物かは不明ですが、異様なまでもの生々しさに心奪われます。

夜、近隣の小さな飲み屋で70代の男性に話しを聞くことができました

「東岡遊廓は平成元年までやってたからね。俺もだいぶ遊んだよ、最後の方はほとんどフィリピンから来た姉ちゃんたちだったけどね

この場所は1958年の売春防止法以降も商売を続けていましたが平成元年フィリピン人女性を違法に働かせていたとして複数の逮捕者が出る事件に発展し遊廓からの歴史に幕を閉じたのです。


紅子10代で売春婦となり吉原、川崎堀之内、歌舞伎町、など関東各地の風俗街を13年以上転々。現在は色街写真家として、風俗街、赤線、遊郭跡地などを訪れ、日本の性文化を記録する。過去の風俗体験を語る『紅子の色街探訪記YouTubeで配信中。
2023年12月写真集「紅子の色街探訪」出版。
日本の失われたわびしさがにじみ出るような世界…男のアソコではなくカメラを握りしめ風俗街を歩き続ける元風俗嬢〜紅子の色街探訪記vol.28・大阪西成
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