今、痴漢冤罪が大きな社会問題となっている。何の罪もない男性が、女性の糾弾によって人生を狂わされる。そんな痴漢冤罪から逃れるためにはどうすればいいのだろうか?
何の証拠も存在せずとも女性の証言だけで逮捕!
◯相次ぐ痴漢冤罪で哀れ死亡者まで…
今年5月11日、JR京浜東北線で痴漢を疑われた40代の男性が上野駅から逃走、近くのビルの屋上から転落死した。
被害にあったという女性は「電車の座席で座っていたら、隣の男性に右手を触られた」と訴えるも、男性はこれに反論。他の男性客に取り押さえられて駅事務所内に連れていかれたが、駅員の目を盗んで逃走した。警察官ら総勢10人以上に追いかけられた後、逃げ込んだ雑居ビルの外階段から飛び降りて亡くなったものと見られている。
これと同様の事件は他地域でも起こっているが、なぜ男たちは死を選ぶことになったのか?
◯男性専用車両で冤罪は無くなる?
日本の法における「疑わしきは罰せず」という原則に沿って考えれば「この人、痴漢です」と見知らぬ女性に言われても、その証拠がなければ逮捕とはならないはずだが、被害にあったとされる女性の証言だけで簡単に逮捕されてしまうのが痴漢の恐ろしい点。
女性には痴漢に合わないために「女性専用車両」があるが、現在「男性専用車両」は存在しない。これまでに西武鉄道や都営地下鉄などでは何度か導入が提案されたこともあるが、結局は不採択となった。利用者の男女比の問題などもあり、当面の実現は難しそうだ。また同性愛者の痴漢が出没した場合の対処にも疑問は残る。
◯冤罪被害者にならないためには?
それでは身に覚えのない痴漢だと言われてしまったらどうすればいいのだろうか。
自分に何の非もないのなら堂々とすればいいと思われるかも知れないが、駅員室で調書を取られたのち、犯行を認めないと警察署に約10日間の勾留を強いられることになる。会社を無断欠勤することもできないからと、事情を説明すると、まだ痴漢だと決まったわけでもないのに解雇処分になってしまったという例もある。
勾留は延長されることもあり、最大で長期間ほどにも及ぶ。この10日間の取り調べに根負けしてやっていない罪を認める男性も少なくない。仮に否定し続けても、その後に待っているのは起訴、そして裁判だ。
痴漢冤罪事件で身柄を捉えられると勝訴するのは難しい。それならどうすべきか。よく言われるのは「話を聞かずにその場を立ち去る」という手段。周りの状況がそれを許すなら最も安全だが、実際には他の乗客に取り押さえられることもあるし、その場合の警察の心証は非常に悪くなる。また、それが通勤電車だったりした場合、翌日以降の利用が困難になってしまうのもネックだろう。
次ページへつづく