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【『劇場版 おうちでキャノンボール2020』上映記念】カンパニー松尾監督&梁井一監督SP対談!「『失敗の記録として一つまとめる』という逃げ道と言うか、そういった着地の仕方もアリだったと言いますか」(後編)

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今夜もシコってますか!? 改めまして、アダルトビデオ芸人のリボルバーヘッドです! 今回のインタビューは、テレクラキャノンボールシリーズの新作『劇場版 おうちでキャノンボール2020』が6月18日より関西で公開されることを記念しまして、カンパニー松尾監督と梁井一監督にお話をうかがいました!
私は先日までおこなわれていた東京での上映を拝見したのですが、劇場は大爆笑に包まれながら、非常に興味深い内容で、不思議な体験を味わわせてくれる作品でした。
という訳で、これから映画を見る方にも、すでに見た方にもお楽しみいただける〝令和版テレキャノ〟の見どころ&裏話をお二人に語っていただきます!
後編では「35歳でAV監督としての考えが変わる」という興味深いお話をテーマに、お二人のAV監督として年齢を重ねたことによっての心境の変化をお話頂いております!ぜひ、最後までお付き合い下さい!!!(全3回、後編)

ある時期は女の子とぶつかったら面白くなるって思っていた時があったんです

──  梁井監督は『劇場版 おうちでキャノンボール2020』上映後のトークショーで「みのるさん(『テレクラキャノンボール2013』にも出演したビーバップ・みのる監督)に35歳になったらAV監督としての考えが変わるよって言われたのがわかってきた」とおっしゃっておりましたが、具体的に何を感じるようになったのですか?

梁井一(以下、梁井) もちろん年齢の変化と共に撮り方は趣向は変わっていくのですが、これを言ったのは単純に、自分の年齢は上がっていくのに撮影するAV女優さんたちの年齢はだいたい20歳前後で変わらないでしょ。すると、その年頃の女優さんたちとちょっとずつ感覚や共通言語が合わなくなっていく。35歳ぐらいで普通の男なら気付くっていう意味だったんです。
僕も35歳くらいになってこの感覚が理解できたんですけど、『テレキャノ2013』のときのことを思い出して、みのるさんもそのころちょうど35歳くらいで「そういえばあの人、そんなこと言ってたな」って(笑)

──  松尾監督も35歳ぐらいで変化はありましたか?

カンパニー松尾(以下、松尾) いや~、35歳なんてとっくに通り過ぎた話ですからね(笑)。でも僕はアホだったので、ある程度の年齢までは何も考えずに走っちゃった感があったんです。僕の場合は年齢というより、結婚をして娘ができたタイミングで感覚が変わった部分はありましたね。

──  具体的にどのような変化があったのですか?

松尾 ただの俗物として生きてきたのが、ちょっと人間っぽくなってしまったんです。女の子に対して俗物になりきれないと言いますか。あと結婚しているからどこまで掘っても本気になれないと言うか、本気になってはいけないと言うリュックを背負ってしまっていたので、なかなかこのリュックが脱げない感じがありましたよね。

──  ご結婚されたのはおいくつだったのですか?

松尾 32歳ですね。彼女がいるとかそういう話じゃなくて、やはり結婚っていうのは僕の中で大きかったんです。なので30歳過ぎぐらいから感覚は変わっていたと思いますね。

梁井 たしかに僕も女優さんとどうこうっていう話だけじゃなくて、そういった自分の中での変化という部分もかなりあると思います。

──  映像作品的にも変化は出たのでしょうか?

松尾 それは自然と出ていたと思います。女の子との距離感は変わっていったと思いますね。でも僕の場合はそこからの方が全然長いので、考え方を変えていったんです。女の子を女優さんとして見るようになっていって、その子の一番良いところを何とかして撮ろうという考えになっていったんです。なので客観的に見る方向性が強くなったのかもしれませんね。

──  それまでは女の子とはどのように向き合っていたのですか?

松尾 それまでだったら喧嘩もしたり、ぶつかったりもしたのですが、あまりそういうことはなくなりましたね。「良さだけを出そう」という感じになっていったのかもしれないです。

──  魅力を引き出す方にシフトしていかれたのですね。そう言えばちょっと前に見た作品で、松尾監督の問いに全く答えない子がいて、途中から「はいかいいえで答えて」となるぐらいに心を閉ざしていた子がいましたよね。

松尾 あー、あれは完全に僕の性格の悪さが出た、相手の良さを全く伝えようとしていないやつですよね(笑)。

──  稀にそういうこともあるのですね(笑)。

松尾 2~3年に一本そういうのがあるんです(笑)。もうちょっとぶっちゃけてくれれば、逆にそこは隠してその子の良さを出そうとするのですが、これは僕が悪いのかもしれないですが、あの子は1ミリもぶっちゃけてくれなかったので。

──  松尾監督がシャワー中に、まさかの寝落ちをしちゃっていましたよね(笑)。

松尾 これの原因も僕かもしれませんが、彼女は朝から反応が悪かったんです。でも唯一、その子らしいなっていうのが撮れたのがその瞬間だったんですよ。僕がシャワーに行ってる間に完全に白目を剥いて寝ていましたから(笑)。

──  豪快に寝てましたよね!

松尾 前半は反応が悪い子という風に見せてしまっていたので、せめてもの落とし所で「この子が反応が悪かったのは、きっと寝不足でコンディション不良だったんだ」という風に見せたつもりだったのですが、あれは僕の性格の悪さが出てしまっていました(笑)。

梁井 昔だったら、そういう現場はぶつかるっていう画になっていたと思うのですが、今はそうはならないですよね。

松尾 僕は現場では言わないけど、編集で嫌味な編集をすることが多いんだよねー(笑)。エンディングで「ずっとこの子は携帯を見てた」とか入れちゃったりするし。

梁井 たしかに松尾さんはよく編集で喧嘩してることがありますよね(笑)。

松尾 いやこれは喧嘩じゃなくて、ただ俺が卑怯なだけだよ(笑)。

梁井 でも松尾さんの若い頃の作品って、女の子に説教じゃないですけど、ぶつかっていく画は結構ありましたよね。

松尾 若い頃はよくあったよね。若い頃の僕は思い込みが激しかったんです。説教じみたことも言ったし、AV監督のくせに女の子に「なんで裸になるんだ?」とか言って。今思い返すと、そういった青二才っぷりも出しちゃう未熟さが面白さに繋がっていた部分はあるんですけどね。経験を積むに連れて出さなくなってしまって……、変に賢くなってしまったのは良いのか悪いのかわからないですけどね。

梁井 そういうのが分かると言うか、自分が分かろうとすると言うか、俺もある時期は女の子とぶつかったら面白くなるって思っていた時があったんです。ちょっとの違和感でも一度ぶつかってみようと思っていましたが、今はやらなくなりましたね(笑)。

──  なぜぶつからなくなったのですか?

梁井 今は当時よりも相手をわかろうとしてるのだと思います。その頃はわかるとかじゃなくて、「とりあえずぶつかったら面白いだろう」って自分の考えでやっていただけだったので、今はちゃんと相手を観察して理解しようとしていますからね。

松尾 ハメ撮りの良さってそこにあるって思っていた節もあったんです。基本的に女優さんと男優さんがセックスしているのを客観的に撮るっていうのは事故は起こらないはずなんですよ。だからハメ撮りだったら事故が起きたとしても、それが活かせるかなって思っていたんです。女優さんと男優さんが合わないみたいなところは描きづらいですが、自分で起きたことだったら何とかなりますからね。これはさっきも言った、現場には何にも準備をしていかないという部分に繋がってくるのですが、どっちに転がっても、まあそれはそれでいいかなって思っていた部分はありましたね。 
「失敗の記録として一つまとめる」という逃げ道と言うか、そういった着地の仕方もアリだったと言いますか。
まあ今でもそこはアリなんですけど、考え方が変わってきたというのもありますし、最初から「その人の一番面白い部分を撮ろう」という気持ちになってきているので、あまりぶつからないようにはしているんです。

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