「頑張ってね」じゃなく「頑張ったね」と言って欲しかった
――でも、これだけ人気を得てしまうと、辞めるときは悩みませんでしたか?
あゆ 悩みましたね。人生ってどっちを選んでも必ず後悔ってある。そういう中でどちらかを選んできたから、今回も選ぶしかないってわかってたんですけど……。
引退に限らず、AVで悩むことは多かったですね
――今しか聞けないから聞きたいですけど、どういうことで悩んでました?
あゆ キカタン(企画単体女優)のときは、大阪から東京に通って撮影してたんですけど、名古屋あたりに来ると鬱になってくるんですよね。
これからまた何本も続けて撮影するんだ、って思うと……。撮影って、緊張の連続だし、自分も期待に応えられるか現場に行ってみないとわからないから、プレッシャーもすごいし、体力的にも大変で
――一本撮影するだけでも、相当ですよね。しかも女優さんが主役だから、逃げたりごまかしたりはできないですし。
あゆ はい。現場で『頑張ってね』って言葉をすごく言われるんです。でも、それは違うんですよ。頑張るのは当たり前じゃないですか。頑張ってるんですよ。
言ってほしいのは『頑張ってね』じゃなくて、『頑張ったね』なんです
――頑張ってることは、スタッフも、観てる人たちもわかってたでしょうけど、それを認める言葉を聞ける機会って少ないですよね。
あゆ そうですね。この業界、どの作品がどのくらい売れたかって、いちいち女優まで知らせてくれるわけじゃないし、自分の中で最大限に頑張っても、それが良かったのか悪かったのかわからない。
だから、せめて『頑張ったね』って言って欲しかったんですよね
撮影スタッフ全員でご飯を食べる「桜井ルール」
――ああ、「頑張ってね」って、善意のつもりで言っちゃう言葉ですけど、言われる側としてはそうですよね。
あゆ 善意で言われてることはもちろんわかってるんですけど、ギリギリの状態で頑張ってる撮影のときは、つらかったですね。
あと、一般常識が通用しない世界だっていうのも気になりました。
普通、仕事の前に知らない人同士って挨拶するじゃないですか。でも、撮影って慌ただしいから、誰がADさんで誰が監督さんなのか、始まるまでわからないときもあって。
挨拶もされないまま撮影開始のときもあるんですよ。だから、私は現場で必ずご飯はみんなで食べようって決めてて、それは『桜井ルール』って呼ばれてました(笑)
――偉大なルールを残していかれましたね(笑)。
あゆ 自分にとっては、そういうことが大事だったんですよね。一回しか会わない人だとしても、一緒に作品を作る人たちなわけだから。顔合わせて、会話して、それができるだけで全然良かったんです
ミリオンガールズZや芸能活動について語ってくれた第二回は明日公開!
さくらい・あゆ 1991年4月15日生まれ T162 B82W59H81 宮崎県出身 A型 趣味&特技:掃除、バレーボール
(取材:「月刊DMM」 インタビュー:雨宮まみ)