
浅野こころ「月で逢いましょうvol.141」ライブレポート!
「浅野こころが浅野こころであるために」。それは、自分の弱さも迷いも抱えたまま、それでも歌うことを選び続ける覚悟を示したライブだった。その歌を力強く歌う瞳には涙が浮かび、生きる希望をまっすぐに伝えてくれた。
東北から上京し、表現の世界を目指して数々のオーディションに挑みながらも落選が続いた日々。自信を失いかけた時間。だが彼女は止まらなかった。安寧の場所にたどり着き、すべてをさらけ出す裸体と歌を武器に、自分の居場所を築き上げたいま、多くのファンを魅了している。


そして迎えた3月2日。東京・三軒茶屋グレープフルーツムーンで開催された「月で逢いましょう#141 浅野こころ」。会場は超満員。期待と熱気が渦を巻くなか、ティアラとドレス姿で登場したこころちゃんは、まるで舞踏会へ向かうお姫様のようだった。
1曲目は『クラシック』(JUDY AND MARY)。YUKIさんの透明感ある声質とベリーマッチし、軽快に幕を開ける。続く『部屋とYシャツと私』(平松愛理)では、語りかけるように丁寧に歌詞を紡ぐ姿が印象的だった。
『JAM』(THE YELLOW MONKEY)では、混沌とした今現在の世界でこの曲を歌う意味を実証してくれた。その歌詞「この世界に真っ赤なジャムを塗って 食べようとする奴がいても」は強烈なリアリティを帯び、こころちゃんのこれまでの葛藤や、それでも前を向く決意を代弁しているかのようだった。
『フライディ・チャイナタウン』(泰葉)は、昭和レトロなシティポップを伸びやかに、華やかに表現。


4曲を一気に駆け抜け、初めてのMCでは「あらためまして浅野こころです」と自己紹介。客席から「こころちゃーん!」の声が飛び交う大盛況ぶり。続けて「今日は1年以上ぶりのワンマンライブ、月曜の夜にもかかわらず、会場のみなさんも、配信のみなさんも、そして私の大好きな女の子たちも来てくれて、本当に本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、今回もバックを支える、福田正人さん(ギター&コーラス)、平方元さん(キーボード&コーラス)を紹介。
「デビューして初めてみなさんの前に立たせていただいた場所が、三軒茶屋グレープフルーツムーンなんです。デビューイベントよりも前に、ここで歌を歌わせていただきました。そのときのことをミルジェネさんもお二人も覚えていてくださっていて、リハーサルのときに『すごく成長したね』って言っていただけて、本当に嬉しかったです。これからも、いろいろなことに挑戦しながら、成長した姿をみなさんに届けていけたらと思っています。
次の曲は、私の大好きな先輩の曲のカバーです。このあと3曲続くのですが、全部『恋の曲』でまとめています。ぜひ、恋の甘酸っぱい気持ちで聴いていただけたら嬉しいです。それでは聴いてください『小悪魔ダーリン』」と、尊敬する先輩・未歩ななちゃんのオリジナル楽曲『小悪魔ダーリン』をまるでななちゃんが憑依したかのようにキュートに熱唱。
『カプチーノ』(ともさかりえ)は、軽やかなリズムに乗せて、恋の甘さと少しの背伸びを感じさせる一曲。こころちゃんのやわらかな声が楽曲のポップさと心地よく重なり、会場の空気を明るく弾ませた。
『SWEET MEMORIES』(松田聖子)は、テンポを落とし、切なさを丁寧にすくい上げるように歌詞を紡ぎ、客席をやさしい余韻で包み込んだ。
再びMCでは「実は1か月前からアコースティックギターを始めました。今日のために、ずっと練習してきました。最初はチューニングの仕方さえ分からない状態でレッスンに行って、『1か月後にライブがあるので弾きたいんです』と先生にお願いしたんです。
でも、最初は全然うまくならなくて、向いていないのかもと自信をなくしたこともありました。それでも先生がたくさん励ましてくださって、なんとか今日に間に合わせることができました。
私は結構不器用なタイプですし、いまだに人前に立つと怖いなって初心者みたいな気持ちになったり、失敗もたくさんします。それでも、挑戦するという気持ちだけは忘れないでいたいと思っています。今回のギターも、そのひとつです。
みなさんも日々の中で、『これ頑張ってる意味あるのかな』とか、『向いていないのかな』と思ってしまうこと、きっとありますよね。でも、それは必ず自分の自信になりますし、いつかバネになるので、挑戦する心を忘れずに過ごしてほしいです。
これから弾き語りする曲は、私が子どもの頃から好きな宮沢賢治さんの本を題材にした曲を、私の大好きなGOING STEADYが歌っている曲です。
儚さや孤独、大切な人との別れや死生観。そんなものを抱えながら生きる人生の旅人たちへ。ハロー、今君に素晴らしい世界が見えますか? 『銀河鉄道の夜』」と、詩的なMCで『銀河鉄道の夜』(GOING STEADY)を紹介。


初挑戦の弾き語り。震えを含んだストローク。しかし音は確かに前へ進む。こころちゃんと同じ東北出身の宮沢賢治の世界観を、情緒的に、美しく表現してくれた。
『丸ノ内サディスティック』(椎名林檎)は、都会的で挑発的な女性像を鮮やかに歌い、東京の夜を華やかに飾った。
そして、『僕が僕であるために』(尾崎豊)では、目に涙をにじませながらも、まっすぐ前を見つめ、力強く歌唱。その歌声はただのカバーではなく、こころちゃん自身の決意そのもの。挑戦をやめないすべての人へと静かに差し出された、希望のメッセージでもあった。


以上で本編ライブ終了だったが、あまりの熱気にそのままステージに残り、余韻の中で「アンコール!」の声が自然発生。
ラストは『シャングリラ』(チャットモンチー)を軽快なリズムに乗せて、こころちゃんも自然と弾むようなステップで披露。明るく華やかな空気が一気に広がり、客席の手拍子と「シャングリラ」の歌声が重なり、会場全体がひとつになって盛り上がった。
最後の音が消えても、しばらく拍手は鳴りやまず、笑顔で手を振るこころちゃん。その瞳には、やり切った安堵と、次へ進もうとする光が宿っていた。ステージを去るその背中にも、客席からはあたたかな視線が向けられ、このライブの余韻に全員が浸っていた。


熱気の残るステージで、あらためてこころちゃんに話をうかがった。
── まずは全体的な感想からお願いします。
「1年ぶりのワンマンライブだったので、すごく緊張していました。どの曲も思い入れのあるものばかりだったので、緊張しつつも、しっかり気持ちを込めて歌うことができました」
── 1980年代後半から90年代前半が青春時代だった世代に刺さる曲ばかりでした。選曲の意味はあるんですか?
「もともと、私はその年代の曲が好きなんです。なので、会場の方に合わせたというよりは、自分の好きな曲を選び、この選曲になりました」
── 浅野さんは声がいいので、男性ボーカルの曲を歌っていても、ちゃんと“浅野こころ”の歌になるんですよ。
「嬉しい!」
── 尾崎豊さんの曲を歌っているとき、目に涙が浮かんでいましたよね。
「バレてましたか?」
── カメラのレンズ越しに涙が見えました。何か理由があったんですか?
「気持ちがこみ上げてきてしまいました。『僕が僕であるために』は、特に思い入れのある曲で、気持ちが入りやすい曲なんです。東京に来てから、一人で悩んでいたときや、強い気持ちになりたいときに、よく聴いていた曲なので、自然とうるっときてしまいました」
── 聴いていて感動しました。今後ギターで弾いてみたい曲はありますか?
「いろいろありますけど、尾崎豊さんの『I LOVE YOU』を弾き語りしてみたいですね」
── 期待しています。次回もぜひ頑張ってください。
「ありがとうございます」

ライブで疲れているはずなのに、最後まで丁寧に言葉を返してくれたこころちゃんだった。
この夜は、ただのワンマンライブではなかった。挫折を知り、迷い、何度も立ち止まりかけた少女が、それでも自分の弱さを抱えたまま歌い続けると決めた、その覚悟をはっきりと示したライブだったのだ。
「浅野こころが浅野こころであるために」。それは確かに、あのステージ上にあった。
(写真・取材: 神楽坂文人)
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