【香水じゅん「月で逢いましょうvol.122」ライブレポート!】初ワンマンライブはカリスマ性がほとばしる独自の世界観を構築! 幻想と感情の旅へ誘った魅惑のライブに!

香水じゅん「月で逢いましょうvol.122」ライブレポート!

5月に行われたミルキーポップジェネレーション(以下、ミルジェネ)主催の「ニューカマースペシャルライブ」に初登場し、独自の世界観と圧巻の歌声で聴く者を魅了した香水じゅんちゃん。

その勢いのまま、6月19日には初のワンマンライブ「月で逢いましょう#122 香水じゅん」を東京・三軒茶屋のグレープフルーツムーンで開催。平日にもかかわらず満員のファンが駆けつけました!

今回もじゅんちゃんの音楽世界を支えるのは、平方元さん(キーボード&コーラス)と福田正人さん(ギター&コーラス)。実力派の二人による厚いサポートで、幻想的な夜が幕を開けました。

 

じゅんちゃんは修道女を思わせる白いベールに身を包み、厳かで神秘的な姿でステージに登場。その佇まいに、会場の空気は一気に引き締まります。

今回のライブでは、世界観に徹底的にこだわり、MCはラストのあいさつを除いて一切なし。あえて言葉を封じ、歌と演出だけで物語を紡ぐというストイックなスタイルに挑戦。そんな覚悟ある姿勢もまた、香水じゅんというアーティストのカリスマ性を際立たせていました。

 

ライブは『終端の王と異世界の騎士』(Sound Horizon)の語りから静かにスタート。じゅんちゃんがカバーするSound Horizonは、サウンドクリエイター・Revoが手がける音楽プロジェクトで、語りと歌、演出を融合させた「物語音楽」が最大の特徴。聴き手を異世界へと誘います。

その壮大な世界観をじゅんちゃんはたった一人で表現。1曲目からその優雅な歌声に、観客は息を呑み、あっという間に物語の中へと引き込まれていきました。

続く『この狭い鳥籠の中で』(Sound Horizon)は、抑えた感情の中に宿る激しさを見事に歌い上げました。

『月のワルツ』(諫山実生)では、三拍子のリズムに乗って、まるで舞踏会を覗いているような幻想的なひとときを表現。

『ディスタンス』(ちゃんみな)では一転、艶やかで成熟した表情を見せ、感情の振れ幅を繊細に歌声にのせていきます。

 

そして『月へ行くつもりじゃなかった』(アーバンギャルド)は、キュートでスウィートな声色が楽曲と絶妙にマッチし、観客を和ませました。

『強く儚い者たち』(Cocco)は、静かに始まりながらも内側に強さを秘めた力強い歌唱。繊細で真っ直ぐなじゅんちゃんの声が、Coccoの世界観に寄り添いながら新たな命を吹き込みます。

『There will be love there -愛のある場所-』(the brilliant green)は、優しく語りかけるように。激しい情熱ではなく、そっと寄り添うような愛を丁寧に歌い上げます。

『Agape』(メロキュア)では、うららかな光が差し込むような明るさと穏やかさをまとい、観客の心をあたためます。

ここまで、なんと8曲をノンストップで披露。緊張感のある空気の中、やさしさを織り交ぜた熱唱に会場は静かに、しかし深く息をのんで聴き入っていました。

 

そして初めてのMCタイム。「今回は初のワンマンライブということで、私の好きな歌を歌わせていただきました。よかったですか?」と、少し照れたように問いかけると、客席からは惜しみない拍手が送られます。

続いて、支えてくれた平方さんと福田さんを紹介し、「あと1曲となってしまいました」と告げると、客席からは「え~!」という声が上がります。

最後の曲は『<ハジマリ>のChronicle』(Sound Horizon)。「1曲目が『終端の王と異世界の騎士』という曲で、最後のフレーズが『今ハジマリの空に浮かべた追悼のカノン』なんです。だから『ハジマリ』で始まって、『ハジマリ』で終わるセットリストにしました」と、静かにその意味を語ります。

 

そして、幻想的で力強いメロディに乗せて「ここから旅が始まるよ」とでも言うように、力強くも優しく歌い上げたじゅんちゃん。まさにアーティスト・香水じゅんの第一章を締めくくるにふさわしいフィナーレでした。

ラストの余韻が冷めやらぬまま、会場は万雷の拍手に包まれ、平方さんも「すごい!」と絶賛。誰もがその完成度に驚嘆し、香水じゅんというアーティストに心を奪われた夜となりました。

 

これまでミルジェネでも数々の個性派アーティストがステージを彩ってきましたが、ここまで徹底して世界観を築き上げたアーティストはじゅんちゃんが初めて。約1時間の舞台は観客の誰もが息を止めるようにして、その物語に没入していました。

そんな鮮烈なワンマンライブを飾ったじゅんちゃんの、次回のライブが早くも待ち遠しくなります。今度はどんな物語を紡いでくれるのか。その「ハジマリ」の続きを見届けたくてたまりません!

香水じゅんX:@jun_kasui
ミルキーポップジェネレーションX:@MPGeneration

(写真・取材:神楽坂文人

タイトルとURLをコピーしました