ご令嬢は自立を目指す
ゴールドカードで豪遊しようと誘ってくるお金持ち女性が出会い系にいました。パパとママに「御曹司と付き合いなさい」と言われ、それに反抗するためにパッと遊んでやろうということのようです。
すぐさまメールしたところ、次のような返事がありました。
〈楽しく仲良くできたらイイな。ねえねえ、2〜2.5を最初だけお願いしてもイイかな? ゴールドカード何枚も持ってるから、そしたらお返しに次会った時に欲しい物プレゼントしてあげるよ〉
矛盾という言葉は彼女のためにあるのかもしれません。ゴールドカードは何枚もあるけどとりあえず2万は欲しいというこの理屈を、いったいどう考えればいいのでしょう。
騙されたフリでメールを続けたところ、
〈巣鴨まで来てくれる?〉
と、金持ちエリアとはとても言い難い、おばあちゃんの原宿を指定されました。
いざ現場にやってきたのは、デコったガラケーを手にしたマスク女です。
「アノォ、サイトノ人デスカ?」
いきなり中国人マッサージ女のような訛りが飛び出し、もう何がなにやらわからなくなってきました。
「カード、いっぱい持ってるんだっけ?」
「ハイ、ゴールドカード」
「すごいね、見たことないから、いま見てみたいな」
「アハハ、そんなモノ、持ち歩かナイ。危ないデス」
うまく逃げられました。
「最近は何か買ったの?」
「ゴールドカードで洋服とか、バッグ、いっぱい買ってマス」
「へえ、そのカバンも?」
「コレはスキな雑誌の付録」
なかなかキレのいいボケをかましてくれましたが、片言の中国人にツッコんでも仕方ないのでスルーしておきましょう。
「でもそんなにお金持ちなのにどうして売春なんかするの?」
「ああ、ハイ。ワタシ、自分のチカラで暮らしたいデス。だからガンバル」
もはや論理的な整合性はどこにもなく、でもこちらはハナからその矛盾を冷やかすつもりでしかなかったので、これ以上付き合う気はありません。彼女が連れ込もうとするボロラブホ「シャトーすがも」の前からジョギングでさようならしました。
(記事引用元=裏モノJAPAN)