実物のAV女優から送出された《聖水》とAV男優から繰り出された《ザーメン》…。人間が生み出す“液”にこだわった二つの画期的なアダルトビデオ作品を見よ!
雑誌版『デラべっぴん』の伝説企画“オナマイド”を生み出した名デザイナー・ほうとう氏が選ぶAV秀逸パッケージ♡
真冬のオーガニックドリンク試飲会。
今回は、別々のメーカーによる類似テーマの新作AVジャケットが僕の目に留まったので、いつもとちょっと趣向を変えて、その2つを見比べてみたいと思います。
それはどのようなテーマかと言いますと、“人体から出た液体をグルメな飲食物として扱った作品” です。
先攻は桃太郎映像さんによる総集編ものの一種で、その名も『ザーメンビュッフェ』です。
口内射精や大量顔射、いわゆる《ぶっかけ》ものAVは、シャトルワン(のちのシャトルジャパン)さんが、20年ほど前に確立させたAV界の一大ジャンルですが、ソレをまるで飲食物のように謳い、《食べ放題》を指す「ビュッフェ」という言葉を、生臭くも粘着質な「ザーメン」という名称に合体させた命名者の独創性に、僕は相当のショックを受けました。
そのロゴデザインも奮ってます。基本は角張った明朝系の書体《カクミン》で文字組された「ザーメンビュッフェ」の、「ビュッ」のみを《モアリア》という飛び跳ね感の強い書体に置き換え、その中にビチャ!っとした飛沫があしらわれています。もちろん文字色は精子色である白が基調。
そのロゴの周りには、大量の白濁汁をカワイイお顔に浴びせられて目も開けられない女の子たち……
尾上若葉さんや……
上原亜衣さん……
……のべちょべちょな顔写真がガツン!っとあしらわれ、しかもこんなコピーが添えられています。
「シェフが出来たてアツアツをお届け!!」
「チ○ポ汁・ヨダレ…体液240分飲み放題1,955円」
「もちろんマ○コでもイートイン!!」
……ひえ~~~!
そして裏面には、乙葉ななせさん……
阿部乃みくさん……
……たちの、これまたドロドロな写真に、
「4時間食べ放題!! 飲み放題!! ただし食べ残しは罰金を頂きます」
「じっくり仕込んだコクと香り」
「鮮度抜群のナマの食感」
などの、文字だけ読んだら、どうということの無いグルメな定型文コピーが合わさって生じる「吐き気」や「臭気」が、容赦なく僕を責め立ててきます。
いや、この “グルメ押し” という発想には、ほんとうに参りました!
観る者の感情を激しく揺さぶるコンセプトによる、完璧に素晴らしいジャケットデザインです!
(次ページはもう一つの液)