そこで、Fetish パンストさんは、好セールスに繋がった重大要素と思しき白パンストの誇示をより強化するために、今年から始める新シリーズでは、フォーマルドレスを着用した “お嬢様” をキャラクターテーマに選びました。
当然、フォーマルドレスと白パンストの馴染み方は “JK” 以上に親和性が高く、かつ、必然性があります。
そして、何よりも強烈なのが “お嬢様” なのに、ある意味、全裸M字開脚などよりも恥ずかしい “ガニ股” ポーズを大々的にジャケ写とタイトルにフューチャーさせてきたのです!
Fetish パンストさんによる、ジャケットで美女にガニ股ポーズをとらせた前例としては、《ガニ股×パンスト×ノーパン》と、はっきりジャケットに謳った『ノーパンdeガニ股な妄想女 宮間葵』と、
『ノーパンdeガニ股な妄想女 2 深田梨菜』という2本が
3年前にリリースされていました。
写真を切り抜き処理した白バックのジャケデザインも非常にスタイ リッシュで僕好みなのですが、 なぜか2本で打ち止めになっていました。ということは、 それほど伸びなかったのだと思います。 名企画なのに実にもったいないなあ、と僕は思います。 Fetish パンストさんも、3年間の長きにわたって、 そう思っていたのではないでしょうか?
その、イマイチ不発だったと思われる “ガニ股” テーマを今、 白パンスト着用のお嬢様のピュアなパワーに合わせて、 再チャレンジしよう!というのが、今回の『ガニ股パンスト』 の野心的な試みなんですね(僕は勝手にそう解釈しています)。
では、そのデザインワークを、もう一度ご覧下さい。
撮影スタジオの臙脂色(えんじいろ)した壁が画面右側を占め、 反対側は壁が途切れて暗闇になっています。 これが面積比で7対3の割合になっているところが、 絵面的にお洒落です。
臙脂部分には縦に大きく《ガニ股》! 黒闇部分にも大きく《パンスト》! と打たれたロゴがいかにも鮮烈で、僕の心を激しくノックします。
そして大きくガニ股開脚して生じた空間に《清楚な美少女のおっぴろげ》と主演女優の名前が、まるで足枷のように割って入ります。これまた最高に見事なデザイン処理です!
このデザインフォーマットを固定して、厳選した可愛らしいお嬢様的ルックスとムードを兼ね備えた女優さんを投入し、じっくりと巻数を重ねての “長期シリーズ化” を、僕は切望します! シリーズ3作目、期待してます!
P.S. Fetish パンストさんの作品ではカラーのパンストものが無きに等しかったわけですが、かつて強烈な印象を残したカラーパンスト全面採用のフェチAVがありました。この連載の6回目でもその名を挙げた、Ultra Dさん1989年作品の『茉莉花・渡辺ひとみ・ズビズビネチョリンコン』です。
パッケージには、なぜだかストッキングが全く映っていませんが、 僕の脳裏にはショッキングピンクやイエローのパンストがローショ ンにまみれてテッカテカに光りを放った映像のなまめかしさが、 26年も経過した今でも脳裏に焼き付いて離れません。 フェチAVの先駆者的存在・中野D児監督の大傑作だと思います。
ところで、Ultra Dのサングラスをかけた豚キャラのマークは、
おそらく同時代にカルト映画ブームの先鞭をつけたアメリカのビデ オメーカー、Rhino Home Videoさんのリーゼントしたサイキャラのマークの
パロディだと思うのですが、いかがでしょう?
ほうとうひろし◎エロメディア活動歴28年のエディトリアル・デザイナー。 雑誌版オリジナルの『デラべっぴん』には、 同誌創刊2年後の1988年ころから参画。 同誌名物となったエロ紙工作企画「オナマイド」 を10年以上にわたって連載した。 「オナマイド」 の連載を再構成した単行本は計4冊出版されたが、すべて絶版。 その企画の成り立ちや、当時の『デラべっぴん』 編集部の事情に関しては、 有野陽一氏の取 材によるインタビュー集『エロの「 デザインの現場」』(アスペクト・刊)に詳しい。
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