松尾監督に「師匠宜しくお願いします!」って挨拶しにきた店長が、騒ぎ過ぎて最後には木刀持って「出てけ!」って
── テレキャノを始めたきっかけって覚えてます?
平沢 松尾監督がちょうど自動二輪の限定解除をしたんですよ。でナナハン買ったから夏の東北道を走ってツーリングに行きたいって言い出して。私を女優にして下さいシリーズみたいに一人で行くのも良いんだけど皆んなで行きたいなぁ〜と。
── 言い出しっぺて松尾監督ですか?
平沢 そうです。最初はもっと牧歌的な企画でレースって感じでもなかったんですよ。疲れちゃったって昼寝したりして。今みたいにポイントとか無かったですから。
── テレキャノ1作目と言えば伝説の花岡じったさんのセックスですが。
平沢 凄い太った人ね(笑)あれは俺が撮影したんですよ。今は絶対できないけど当時って本当のナンパ物って結構あって、ガチの素人さんに顔はモザイク入るから出ないよ〜とか交渉して出演してもらってたんだけど、俺は顔出るけどいい?って交渉して出演してもらったから。あのインパクトのある顔は出さないとでしょ! あのお姉さんも20年後にロフトプラスワンで上映してみんなに笑われてるとは思わなかったでしょうけど。テレクラってあのお姉さんみたいな人が来るのが普通で可愛い娘が来るってまずありえないんですよ。で、冒頭30分くらいであのお姉さんインパクトある顔が出てくることであっ!これガチなんだって信憑性が高まったから。
テレクラって80年代で終わった産業で当時(1997年)でも下火になってたんですよ、もう携帯持ってるし。仕込みで可愛い娘用意してじゃあ3Pしちゃいましょうってエロいの撮っちゃったらテレキャノってシリーズにならなかったと思う。
── そこから毎年夏の恒例みたいになっていきますけど売れたんですか?
平沢 たいして売れないよぉ。
── それでよく続編が(笑)制作費も掛かるのに!
平沢 イヤ、それほど掛かってないの。1作目は本州だけで3日で撮影してるし出演者のギャラも優勝した人が賞金でもらえるシステムだからまず人件費が掛かってない。スタジオ代もない。1作目は出演者がみんなお酒飲めないから飲食費の領収書見て上司がお前ら飲まず食わずで撮影してんのか?って言ったくらい。回を追う毎にルール的なことが整備されてきたから女の子に払うギャラもちゃんとしてきたけど初期の頃は顔出せないならギャラ1万だ! とか酷いこと言ってたね〜。
── パート2は自然に出そうって話になったんですか?
平沢 ビデオザワールド(かつて存在したAV専門誌)で年間1位に選ばれて監督賞もらったりして。業界内だけですけどテレキャノ観ましたって凄い言われて評判も良くて。サブカルからエンタメに移行したかなって作品になったので翌年もやるって流れになったのかな。でもねぇ、2作目にありがちなんですけど何をやっても上手くいかなくて……。
パート2で名古屋のテレクラに行ったら、最初は松尾監督に「師匠宜しくお願いします!」って挨拶しにきた店長が、騒ぎ過ぎて最後には木刀持って「出てけ!」って怒り出したり(笑)
そこから何をやっても裏目裏目で。ボールガール(優勝者に贈呈される女性)とは撮影内容で揉めたり……。売り上げもパッとしなくて、もうキャノンボールは封印しようってことになりまして……。
── でも翌年パート3を撮ってますよね?
平沢 これはねぇ……、営業の人からやらないんですか?って言われて。当時ってレンタルビデオが主流だったんですけどレンタル店の人に松尾監督のファンが多くて「キャノンボール今年も待ってますよ!」って口説かれまして。
── 2部作というか前後編の大作になりましたよね。
平沢 もうねぇ初期の頃の予算では撮影できない規模になってたんで2作分にしたり衛星放送で放映したりと予算をかき集めた結果です。
── そんなパート3ですけど見所って?
平沢 初めて本州から北海道に渡るんですけど、全然女の子ゲットできなくて……花岡じったが撮影できない女ハメちゃってお土産にパンツ貰ってきたりとか。で、当時いたADが9回裏サヨナラ逆転ホームランでゲット成功するんですけど、飢えた猛獣たちの所に連れてきちゃったもんだから全員にバスバスハメられちゃって中々良いテレキャノにはなりましたけど(笑)
── ここで一旦終了したのはやっぱり売れなかったから?
平沢 ん〜色々潮時かなって。1週間も掛かって撮影してお金も掛かってるけど売り上げもパッとしないし評価も業界内だけ出し。オチがついたっていうか……。
皆んななんとなく納得しちゃったんですよね。良い終わり方だったんじゃないかなぁ。
※と、記事を編集しているうちに
テレキャノ最新作の情報が突如発表されました!
ようやくこの時を迎えました。
ただ、無理していいね!しなくていいです。
心に留めて、ひっそり劇場で会いしましょう。
特報▷https://t.co/m3zmi7ySJi…
チケットは、公開3日前の24時から新宿K’s cinemaにて購入可能です。詳細▷https://t.co/kLg1cKt9TD
公開は3/26土〜4/1金、19時40分〜新宿にて🥷 pic.twitter.com/RlbMcjWWXa— カンパニー松尾 (@company_matsuo) March 12, 2022
(取材:清水和彦)