かつての弟子や使用人の前で排泄まで晒さなければならない恥辱に
熟れた肉体が熱く燃える!!
SMの巨匠・団鬼六作品を川上ゆう主演で忠実に映像化
日本でSMを定着させたのは、誰がなんといっても団鬼六です。
彼が1959年から「奇譚クラブ」に連載を始めた「花と蛇」という小説が日本のSM観を決定づけたのです。
漫画でいうと手塚治虫みたいなものですね。
その団鬼六が1973年に発表した短編「花と狼」を映像化したというのが本作。
団鬼六作品の中では地味な作品なのですが、これを選ぶとは、お目が高い、という感じです。
しかも、主演は川上ゆう。個人的には団鬼六のヒロインとして、最もふさわしい女優さんだと以前から思っておりました。
ええ、杉本彩とか小向美奈子とかって、全然イメージ違うんですよ。
そんなわけで、本作は発売前から期待していました。
三味線の師匠である浪路(川上ゆう)の家に下宿することとなった学生の宮田。
美しい浪路に恋心を抱くも、実は彼女は会社社長の上原(緊縛監修もしている奈加あきら)の妾であった。
しかも、浪路はマゾで上原に責められることに悦びを感じていた。
しかし、上原が交通事故死してしまうと、正妻(倖田李梨)に家を取り上げられたばかりか、奴隷として幽閉されることになってしまう。
かつて三味線の弟子であった中年男二人や、お手伝いだった加代(桐原あずさ)の手によって、浪路は調教されてしまう……というのが原作のストーリーで、このAV版も極めて忠実に映像化されています。
どういうわけか団鬼六作品が映像化される時は、原作のニュアンスを無視した大胆なアレンジをなされることが多いので心配していたのですが、ここは嬉しかったですね。
それどころか、原作ではあまり描かれていなかった浪路と上原のプレイをしっかりと見せてくれていて、これが素晴らしいのですよ。
M女の切なさやエロティズムが十分に伝わってきて、これぞ川上ゆう! と感動しましたね。
宮田と愛を交わすシーンも、情感に満ちていて、見応えありました。
そして後半、監禁され、淫らな男女の手によって調教されていく浪路。
正妻の前で全裸に剥かれ、お手伝いだった加代の目の前でおまるに放尿させられ、さらには浣腸されて排泄までさせられてしまうのです。
浪路の女としてのプライドはズタズタにされてしまいます。
さらに、男たちの奴隷として犯されている姿を宮田に見られてしまうのです。
調教されていく過程をもうちょっとじっくり描写して欲しかったかなという気もするのですが、全体的には満足の行く仕上がり。
団鬼六作品の映像化としては、今までで最も原作のニュアンスを活かしたものになっているのではないでしょうか?
なによりも、川上ゆうが素晴らしいです。期待通りのハマりっぷりです。
これぞ、鬼六ヒロイン。団鬼六原作・川上ゆう主演の作品をもっと見たいものです。
そしていつかは、川上ゆう主演の劇場版「花と蛇」を見てみたい、と思うのです。
(掲載/「月刊DMM 8月号」)