AVメーカーDANDYの人気シリーズが採用したデザインはなんと…
《巨根頬張り縛り》だった!
雑誌版『デラべっぴん』の伝説企画“オナマイド”を生み出した名デザイナー・ほうとう氏が選ぶAV秀逸パッケージ♡
《女優の顔+巨根(withモザイク処理)》というフォーマットを確立
「ちょいワル」「ろくでなし」を自認するメーカー『ダンディ』さんによる、ちょっと独特なジャケットを今回は取り上げます。
こちらのリリース作品のジャケットを見渡しますと、デザイン的にみて “タイトル” にあたる画面上部に、大きく「DANDY」のロゴがあしらわれています。また、キャッチコピーのあしらい方も含めて、DVDと言うよりも、雑誌的なデザイン感覚ですよね。写真や文面を別とした、文字周りのデザインセンスには “エロ” のかけらもありません。
はて、このデザイン、どこかで見たような……と思ったら、ダンディさん自ら高らかに告白していました。そう、「ちょい不良(ワル)」や「ろくでなし」を謳い文句に売り上げを伸ばしたミドルエイジ向け男性ファッション誌「LEON」のセンをいただいているわけです。
この「知らない女だけが損をする~」シリーズのジャケットを見ていて、僕が思い出すのは他にもありまして、表紙モデルに必ずレモンを持たせるという《レモン縛り》を特徴とする角川書店さんの「ザテレビジョン」のカバーや、毎号、有名女優の顔に水をぶっかけるという、高度で難易度の高い《ぶっかけ縛り》を断行した、KKベストセラーズさんの「ザ・ベストMAGAZINE」のカバーなどを想起してしまうのです。
では、DANDYさんの「知らない女だけが損をする~」シリーズは何縛りなのかというと、《巨根頬張り縛り》なんですね。
その成果をご覧ください。
巨根男優とのSEXをセールスポイントにしているわけですから、エロ要素を巨根に集約させ、女優さんは敢えて着衣というストイシズムを貫かれているわけです。その名のごとく「ダンディ」です。
さて巨根といえば、ポルノに詳しい方なら思い出されるのはアメリカの伝説のポルノ男優ハリー・リームスでしょう。
30cm以上あるとも謳われた巨根の持ち主である彼を一躍スターダムに押し上げたポルノ映画が、1972年全米公開された『ディープスロート』でした。
この映画はまた、フェラチオやイラマチオを、世界で初めて露骨に映像化したことでも知られています。
さらに、この映画のために考案された喉の奥まで巨根を突っ込むという性戯は、ずばり《ディープ・スロート》と呼ばれるようになりました。
さて、一体どんなえげつない広告ビジュアルだったのでしょうか?(ビデオ登場以前の作品なので、ここではポスターを取り上げます)
あらま、性器の露出や性交などのポルノ表現が解禁された時期のポスターにもかかわらず、なんとお上品なデザインでしょうか。しかも、売りである巨根はどこにも示されていません。まあ、街路に面した映画館の正面に張り出すものですから、直接的な絵面に出来なかったのは推察できますが、同時期の日本のポルノ映画のポスタービジュアルの方が、よっぽど露骨で卑猥なものばかりでしたよ。
ともあれ、そういった《巨根を頬張る行為=映画『ディープスロート』》、という記憶がある世代は、今、すでに50歳過ぎなわけです。つまり「LEON」読者な世代。僕自身も今年で55歳になりますから、ダンディさんの目指すイメージの原点は非常によくわかります。
そして、「ザ・ベストMAGAZINE」のごとく、《女優の顔+巨根(withモザイク処理)》という、ストイックでスタイリッシュなジャケットビジュアルのフォーマットを確立させたわけです。
すると、そこに波風が起こります。
ダンディさんのスタイルを、あえて挑発するような他メーカーのジャケットが出現してきたのです。前回、この連載で取り上げたドグマさんのビーバップみのる監督による『合法トリップ チンポ・アファーメーション 小早川怜子』(2013年1月発売)がそれです。
このジャケットは、シリコン製の張り型を、「シリコンなんだから別に隠さなくたっていいでしょ?」と言わんばかりにモザイク無しで50本近くも露出させるという、AVジャケットデザイン界におけるチンポビジュアルのインフレーションを発動させました。
ビーバップみのる監督は引き続き同じイメージで、翌年にも『チンポ連呼中毒 音無かおり』を繰り出してきました。
「おのれ、ビーバップみのる監督! それならば、これでどうだ!」と、ダンディ側が思ったかどうかは知りませんが、きっとそう思ったに違いない、という妄想の上で話を進めます。
2015年1月、ダンディさんは、ついにものすごいジャケットを繰り出してきました。『「女なら一度はセックスで失神してみたい!」世界最大級のメガチ○ポスター大集結! ハードすぎる異人種中出しセックスに初美沙希が挑む!!』がそれです!
《後半》へ続く…