紗倉まな『うつせみ』刊行記念記者会見レポート！
セクシー女優で作家としても活躍する紗倉まなさんが、12月5日、東京・文京区の講談社で、新作小説『うつせみ』の刊行記念会見を行いました。
うつせみ
本作は、美容整形を繰り返す79歳の祖母とグラビアアイドルの主人公を中心に、ゴールの見えない「美しさ」に翻弄される女性たちを描いた作品です。
まなさんは、「小説を通じて、自分の生まれ持ったそのものの中で、最大限の美に近づける手段を読者の方が見つけられたらいいなと思います」とコメント。登場人物の「整形を繰り返す79歳の祖母」は、実際の祖母をモデルに描いたことを明かしました。
自身の祖母は80歳を超えており、整形を繰り返していることに関して「美醜で戦うフィールドから抜けた世代だと思っていたので、ずっと不思議でした」と語ってくれました。
また作中、祖母が行方不明になっていたというシーンは、実際に家族で起きた出来事だと明かし、「2週間ほど帰ってこなくて、家族が何か事件にでも巻き込まれたのかと心配していたら、実は整形のダウンタイムを終えて戻ってきたということがあったので、このエピソードは絶対に書きたいなと思いました」と話し、ユニークな祖母の存在を感じさせました。
一方、祖母から本作についての感想はまだ届いていないと告白。「毎回、文芸書に寄稿するたびに感想をもらっていたんですが、今回はまだ何も来ていないんです（笑）。近所でも破天荒なおばあちゃんとして有名なんです。近所の方が『また、お孫さんが小説を書かれたそうですよ』と教えてくれているので、絶対に知っていると思うんですが、いまだに連絡が来ていないし、私からも『出したよ』とは言いづらいんです」と苦笑しました。
作中のテーマについてまなさんは、「整形に関するニュースや話題が毎日のように流れてくる時代になってきています。その時代に生きる女の子たちの息苦しさや、ずっと人と比較し続けられることの苦しさを描いた作品でもあります。女性だけでなく、男性の方にも読んでいただけたら嬉しい」と話しました。
さらに、「自分の見た目を気にする気持ちや、女の子たちがどんな思いで整形や美を追い求めているのかを知りたいと思っている方にも読んでほしい」と多くの読者に向けてメッセージを送りました。
まなさんは2020年度野間文芸新人賞候補作『春、死なん』に続き、今回の『うつせみ』で再び注目を集めており、今後についてもさらなる作品の執筆に意欲を見せています。
（写真・取材：神楽坂文人)
