私は高校一年生のとき以来、30年間痴漢を続けてきた。3年前、首都圏の某路線で痴漢を働いていたところ、鉄道警察に連行。4度目の検挙だったこともあり、ついに実刑が下された…。
シャバに出てきたのは今夏のことだ。はっきり言って、もうこのような思いはこりごりである。痴漢から完全に足を洗った今、懺悔をこめて私が30年間に見知った、痴漢界のすべてを語ろうと思う。
女性の方には、今後、被害に遭わないための参考にしてもらえれば幸いだ。
監視カメラの影響力はない
私が痴漢をしていたのは、もっぱら電車内である。首都圏ではなんと言っても埼京線が猟場だ。痴漢検挙ランキングでは中央線も上位に組み込まれることで知られているが、埼京線はこの30年間でも安定して高い人気を獲得し続けている。
理由は明白だ。渋谷、新宿、池袋という若い女性が乗り降りする主要駅を通過することに加え、駅間が5分とそれなりに長いからだ。
特に無法地帯となっていたのは2000年前半ぐらいだろうか。当時は痴漢だらけで無法地帯となった車両はまるでAVのような光景だった。
ご存知の方も多いと思うが、埼京線は5年ほど前に先頭車両に監視カメラが設置された。
が、はっきり言ってその影響力はほとんどないと感じる。
上からカメラで顔や服装を撮影されたところで、混雑状況のなかでは下半身の動きなどわかりっこない。いや、手を動かすとどうしても肩が上下に動くので、わかる場合もあるのだが、私を含めて痴漢はそんなことを気にしないほどに大胆な者が多いのだ。
現に、当時よく顔を知っていた痴漢のほとんどがカメラの有無に関わらず、毎晩のようにホームで確認することができた。
関西ではなんといっても環状線が有名だ。よく狙われる区間は京橋ー大阪間、新今宮ー天王寺間だ。詳述はできないが、かつて私は全国をまわる仕事をしていた。その際には「痴漢出張」というのをよくやっていた。全国行く先々で早起きし、混雑した電車に乗り込むのである。
田舎の電車はひと駅間が5〜7分と長い。そのため、ターゲットと長く密着することができる。
さらに、痴漢慣れしている女が少ないので、都会に比べて安心して痴漢を働くことができる。
なものだから、私の知人には仕事でもなんでもなく、痴漢のためだけに地方に遠征している者もいた。
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