「チョットだけ入れさせて」
が変えたニッポン風俗の常識
◯風俗史の更新は風営法との探り合いだった
その際、新たに規制されたのが、個室マッサージ(ファッションヘルス)も公安委員会への届け出対象になることや、病院、官公庁、学校などの施設から周囲200メートル以内には新たに出店できないことなどだった。
それは東京都内では事実上の「出店禁止令」となった。つまり現在、店舗型ヘルスとして営業している店は、この時点で営業権を得ていた老舗ということになる。
その翌年、バブル経済に突入する頃には法規制はされているものの、新宿、高田馬場、池袋では多くの店舗型ヘルスが闇営業を始めていた。そして91年、池袋を中心に、また新たな風俗が生まれた。裸でプレイが始まるファッションヘルスに対し、妄想しながら服を脱がせるところから始まるイメージクラブだった。
さらに、95年には五反田を中心にSM店が、97年には韓国エステがブームとなり、風俗業界は、ソープにピンサロ、ファッションヘルスに性感ヘルス、イメクラ、SM、エステ…と、カオスな世界へと突入して行った。
そして99年、新風営法の改正と共に届出制となったのが、現在主流のデリバリーヘルスであり、その急増によって、日本の風俗は「挿入なき射精」から「カネのためには挿入もやむなし」へと変わっていくのだった。
(記事引用元=ズバ王)
記事執筆◯松本雷太:フリーライター歴16年。日本全国を取材して歩いた裏風俗の潜入ルポ多数。共著『死ぬまでに行きたい! 首都圏裏風俗編』が近著。