第二部では、芳賀さんが最近のエロの世界、そしてご自身の考える性について深く語ります
まずは、2016年頃からアダルト業界の注目の的となっているVR。
芳賀書店でも2017年から商業として力を入れ始めたとか。芳賀さんは「とにかくVRは、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)はスマホ合体型ではなく、一体型を試すべし!」とVR初心者の方々にアドバイス。
没入感がまったく違うとのことですが、これは筆者も賛成。驚くほどの別世界を味わえます。
芳賀さんは、なんとVRをつけて奥さんに責めてもらうなどの『仮想浮気』『仮想マスターベーション』にもチャレンジしているそうで、この新しい使用法には来場者一同ビックリ。
AVなどと違ってパートナーとの性的な関わりが可能となる、所有しても怒られないツールであると主張されていました。
そしてVRの可能性について語りながらも、子どものうちから使うと斜視になる可能性や、装着した状態での事故の多さなどの問題点も指摘。
ショップとしても個人としても真摯にセックスに向き合う姿勢を見せてもらいました。
さらに芳賀さんは、「プレイとセックスはどう違うのか」という難しい議題にも言及。
芳賀さんの解釈によると、セックスとは「男女の最大限の会話であり、心まで吐露して心をこじあけて行うもの」であるとのこと。
そして、それがない行為をプレイと称するのだとも。ただし、セックスに伴う負担を考えると、そのどちらが偉いというわけではないとも。
神田さん曰く、自身は今はプレイしか行っていないと自覚しているそうで「プレイだけの自分をダメと思わないで欲しい。今、自分が望んでいることが何なのか意識して欲しい」と仰っていました。
そして、最終的には未来のエロスについても話は発展。
科学技術が発展し続ける現在、AIがセックスのパートナーとして成り立つ時代がくるのかという議論も交わされました。
AIによって、自身にとって理想的なセックスパートナーを作り出すことは理論的にはじゅうぶん可能な時代が来ています。しかし、神田さんの「過去に関係した男への絶望と同時に存在する彼らへの愛情などの、人間の複雑な感情はAIはどうしても想像できないはず」という説に強く感銘を受けました。
AIパートナーとの行為は、先ほど芳賀さんが話した「プレイ」に留まるものなのではないかと思います。
第三部では、来場した方々からの質問を受け付けるディスカッションが行われ、会場は大盛り上がり。
最後まで興味深い授業を有難うございました。
次回の神田ゼミでも、さらに深いエロスの世界を学ばせてもらえることでしょう。ぜひ皆様も足を運んでみてはいかがでしょうか。
(取材:もちづき千代子)