淫靡だがどこか猥雑な魅力を放つ昭和ストリップ。その内実を知るストリップ劇場芸人・松本格子戸がその舞台裏を語る連載コラム!
かつて栄華を誇った劇場の跡地をたどる誌上巡礼の旅
◯閉館後には廃墟となった劇場も…
その昔「ストリップの聖地」とも言われ、かの笑福亭鶴光師匠が歌って大ヒットした『うぐいすだにミュージックホール』の歌詞にも「今日は天満か船橋か」とも歌われた千葉県船橋市。
【西船OS劇場】の跡地はマンションになっており、まさかこの場所にドでかいストリップ劇場があったなんて、住人の方は知るよしもないでしょうねぇ。
【船橋若松劇場】ここは5年ほど前に惜しくも閉館して取り壊しに。現在は一戸建て分譲住宅が3棟建っております。旧青線地帯だった面影も少しずつ薄れていってますね。
【船橋ニュー大宝】劇場としての最後は経営者も従業員もいなくなるような、悲しい最後でした。僕は何度も船橋の3劇場には出演させて頂きましたが、西船は変態小屋、若松は本番小屋、大宝がアイドル小屋と呼ばれていたものです。閉館になった後、劇場型ライブハウスとして生まれ変わり、数々のミュージシャンがライブをやっておりましたが、やはり長くは続かず。現在は廃墟ビルに。
◯東北のストリップ劇場は今…
現在のストリップ界では、北海道と東北にはストリップ劇場はありません。いや、かろうじて芦ノ牧温泉に1軒あるだけ。
【仙台ロック座】杜の都・仙台で震災にも負けず、復興を遂げた劇場でした。再開時には大手新聞社が1面で取り上げたほど。3年ほど前に閉館し、現在は風俗店の無料案内所。
【郡山ミュージック劇場】福島県郡山にあった歴史のある劇場。僕も何度か出演させて頂きました。バラエティーに富んだショー構成、企画プログラムなどなど、あらゆる舞台演出で親しまれてきましたが、惜しくも閉館。現在は駐車場です。
【八戸マノン劇場】本州最北端の劇場として、最後まで外人ショーを中心にベテランのお姐さんのショーなども存分に楽しめた劇場。浅草ロック座公演などもやったことのある劇場。現在は放置状態のようです。
【札幌コマ劇場】北海道と言えばココと言っても過言ではないほど栄華を誇った札幌の劇場。札幌雪まつりの時期は毎日大入り満員で大変でしたね。外人、白黒、本番、レズ、花電車、チームショーなど香盤もバラエティーに富んで、出張族御用達のストリップ劇場。その昔、札幌でプロレス興行がありまして、それに出場している悪役レスラー同士が劇場内で鉢合わせして大喧嘩。場外乱闘が翌日の新聞にも載ってしまったのも今となっては笑い話。現在は廃墟となって、ススキノの街に寂しく残っています。
【札幌DXカジノ】小さな劇場ながらベテランのお姐さんもアイドルも出演する幅広い出演者で構成されていました。現在はガールズバーに。
【登別温泉劇場】3年ほど前に仕事で登別温泉に訪れた際にはまだ建物は残っており、1階の大人のおもちゃ屋さんも健在でした。登別温泉自体がちょっと寂しくなってしまいましたが、現在も建物は残っているような気がします。
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