2000年代はじめに、働いていた店は日本の三大ソープとして知られる吉原高級店ピカソでした。
当時110分で総額8万円。
私がもらえるサービス料は5万円という高級店。
110分で8万円という、高すぎる遊び。
高級ソープは女の子が高級ではなく、遊びにくるお客様が高級なんだとよくいわれます。
まさしくそのとおりだと思いました。
私はどこにでもいる普通の女であり、ソープの仕事以外では男性から話しかけられることはありません。
会社でのセクハラ問題などの話しを聞くと羨ましく感じる時もあります。
風俗業界をやめて、シングルマザーとなり会社員として働いてましたが、
セクハラどころか、男性社員からは居ないもの同然の扱いでした。
現在の私はソープ時代に稼いだお金もなく、ギリギリの生活。
風俗嬢というのは、稼げる時期があったとしても寿命は短い。
熟女ソープ嬢として稼いでる方もいるけど、私には熟女としての魅力はまったくありません。
今の私は160センチの身長に対して体重は40キロ程しかなく、醜く痩せ細っています。
服を脱ぐと、痩せたカラダにシワ同然の胸とお尻がうっすらあるだけ。
誰からも見向きもされない廃材のようなカラダ。
今回訪れたのは愛媛県松山市に残る旧青線エリア「土橋料亭街」。
松山市駅からひと駅の土橋駅裏にあります。
駅を降りると街全体がノスタルジックな雰囲気に包まれていました。
その中でもこの土橋料亭街は異色。
二棟の長屋の路地に料理屋が連なり、昭和33年の売春防止法施行以降は、非公認の風俗街ちょんの間として営業してたという噂もあります。
かつて、男女が性交を重ねた場所は現在廃墟化し、ほとんど人の気配はありません。
ガラス越しに店内を覗くと、生々しいふとんが放置されていました。
別の部屋には女の子が膝を抱える悲しすぎる絵画が掛かり、手前には金色の招き猫が寂しげに佇んでいました。
外には廃材が放置され、現代から置き去りにされたような場所。
その廃なる風景は醜くやせ細り使い古された自分自身と重なり胸が苦しくなる思いでした。