古き良き時代の香りが熟女をさらにエロくする
熟しきった女の豊満な肉体は
精気あふれる若い男の肉体を味わいつくし、
吸いつくそうとする!
タイトルからもわかるように昭和エロスの世界を再現したレトロテイストの作品です。
全二話収録のオムニバスになっていて、ひとつは若い青年が下宿先の熟女女将に筆おろしされる話、そしてもうひとつは、糖尿で不能になった叔父にけしかけられて、叔母と関係を持ってしまう青年の話。
どちらも熟女×若い男、の組み合わせですね。
実はビックモーカルは、20年前にも「実録官能小説」なんて、同じような試みの作品を出してるんですよね。
昭和エロスこそ、真のエロだ!
という精神がこのメーカーには脈々と流れているのです。
亡くなった息子と同い年だわ、なんていいながらも、中年女将が童貞の下宿青年にセックスのテクニックを教えこんでいくという「 臍下淫楽」も淫猥ですが、実は夫が不能ではなくお手伝いさんと関係を持っていることを知りつつ、甥やその友達と3Pに耽っていくという「痴人愛」も女の怖さが感じられる快作です。
特にラストはゾクっとしますね。
主演の浅井舞香と阪田奈美のリアリティのある肉体もいい味を出しています。
若い男と絡んでいるので、余計にその熟しっぷりが際立っているんですよ。
「こんな長いのがおばさんのここに入るのよ」
とか
「いやだ、入ってるところが見えちゃうじゃないの」
なんて古めかしいセリフまわしもいい味だしてますね。
こうしたジャンルはFAプロの独壇場だと思っていましたが、緊迫感に溢れるヘンリー塚本監督の世界に比べると、こちらはもっとユーモアが感じられて、また違う感触で楽しめます。
どうして熟女というジャンルだけにドラマ物が多いのか、その理由がこの作品を見るとわかるような気がします。
熟女の肉体には、ドラマがよく似合うのですよ!
(掲載/『月刊DMM 8月号』文/安田理央)