『川上奈々美 射精したチ○ポをすぐに勃起させる凄テク』(アリスJAPAN)
白バックの背景と明瞭なライティングによって肌をキレイに表現した、まるで女性向け商品の広告写真のようなルック。
それが全米大ヒットした伝説のポルノ映画を連想して興奮させるというその訳は…?
雑誌版『デラべっぴん』の伝説企画“オナマイド”を生み出した名デザイナー・ほうとう氏が選ぶAV秀逸パッケージ♡
ひと言「スバラシイ!」
まるで僕自身がデザインした気になる《120%の親しみ》を覚えた絵作りであり、デザインです。
白バックの背景と明瞭なライティングによって肌をキレイに表現した、まるで女性向け商品の広告写真のようなルック。それを強調しているのが、主演の奈々美ちゃんの、同性にも好かれそうな清潔感ある容貌とヘアスタイル、そして目線です。それは正面方向ではなく、左斜め5度くらいの位置を見つめていて、この《ちょっと控えめ、でも、ほんとうは自信を持っておススメします、的な広告写真感》が実によろしい。
ところで、このジャケットを観て、ふと僕の頭をよぎったのは、1970年代初めのアメリカで流通していたP&G社の石けんのパッケージ写真です。
それは《幼児の衣類洗いにも使える安心な洗濯石けん》という商品の特性を伝えるために、知的な横顔の若い女性と赤ちゃんが頬寄せ合っている明るい写真で、それは全米のスーパーやドラッグストアの棚に大量に並び、知らないアメリカ人はいないくらいにポピュラーな図像でした。
なぜ、その図像を思い出したのかというと、その写真の女性モデルさんが、当時、アメリカで解禁されたばかりの「ハードコアポルノ映画」に主演しちゃったんですね。しかも、世界の映画表現として初めてである、白人女性と巨根黒人男性のノースキン本番で、最後には絶頂で失神までしたのです。
それがおおやけになるやいなや、全米で大騒ぎになり、結果、映画は大々ヒット、という騒動があったのです ※「Behind the Green Door」1972、主演女優は Marilyn Chambers
では、その大ヒットポルノ映画の広告ビジュアルはどうであったかといいますと、主演女性のトップレス写真でして、背景はまっ黒。ライトを片側から当て、淫媚で陰湿な印象で、あの石けんの女性とはすぐには解らない感じでした。それのみを観ても、当時中学生になったばかりの僕は、さしたる興奮は覚えなかったのですが、あの石けんのあかるいパッケージ写真と並列で観ると(または脳内でそのイメージを補完すると)穢してはいけない存在が、一転、自ら性の喜びを享受しているように感じられて、とてもコーフンを覚えるわけです。というか、全米の男女もそう思ったわけです。
(参照:youtube)
大変長いたとえ話になってしましたが、この奈々美ちゃんの清潔感溢れるジャケットは、例に挙げた2つの交わり難い要素を、見事に1つにまとめあげていると思ったのです。
乳首すら見せていないストイックさと、奈々美ちゃんの指先のキレイさ美しさがほんとうに見事で、それゆえに、シルエットで表現された陰茎と陰嚢のどちらもが、ほんとうにキモチ良さげで極楽状態に見えます。
ということで、このジャケットデザインは百点満点です!(髪の毛上部のちょっと浮き上がった跳ね毛を直してあったなら一億点です!)
ほうとうひろし◎エロメディア活動歴28年のエディトリアル・デザイナー。
雑誌版オリジナルの『デラべっぴん』には、同誌創刊2年後の1988年ころから参画。
同誌名物となったエロ紙工作企画「オナマイド」を10年以上にわたって連載した。
「オナマイド」の連載を再構成した単行本は計4冊出版されたが、すべて絶版。
その企画の成り立ちや、当時の『デラべっぴん』編集部の事情に関しては、有野陽一氏の取
材によるインタビュー集『エロの「デザインの現場」』(アスペクト・刊)に詳しい。