風俗レポート界に彗星の如く現れた、素人童貞さん=「素童(しろどう)」さん。
近年ではタモリ倶楽部への出演も果たすなど、その活躍の様子は業界外からも注目を集めています。
そんな彼がこの度、書籍を出版。タイトルは『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』。
これを記念して、11月18日にロフトプラスワンにてトークライブが開催されました。
登壇者は著者である素童さん、副業専門デリヘル・「池袋サイドライン」のまりな店長、AV監督の二村ヒトシさん、手コキ研究会の主催で現役風俗キャストでありAV女優の今賀はるさん、「ロボットデリヘル」のオーナー・あきさん、風俗情報メディア「NAISHO」の編集長・泡典子さん。MCはオナクラ「かりんと池袋」の代表・にしやまさんです。
これまでメディアに姿を現さずにいた素童さんですが、この日ばかりはサングラスでギリギリの顔出しを決行。イベントでは彼を中心に、風俗業界の現状や今後の展望についてが語られました。
二村監督から「その名前では絶対に芥川賞は取れないよね」と指摘された素童さん。次作以降どうしていくのかを聞かれた時に「俺は別に本を出すことが成功だと思っていないから」ときっぱりと宣言。「俺は風俗に行ければそれでいいので、現状が成功の状態である」と言い切りました。何だかカッコイイ!
しかしその後、「本人のいないところで『にしやまさんの話つまんなくない?』と言っていた」という人間性の暴露や「ツイッターで風俗キャストにDMを送っている」などの疑惑が次々と沸き上がり会場は騒然。ちなみに疑惑については「確かに彼は会いはするけどエロいことはしない」というポリシーがにしやまさんの口から語られて事態はなんとか収縮しました。
話題は「風俗嬢とその客の距離感」についてへ。実はこれまでの彼氏がみんなお客さんスタートだったというまりな店長の告白にみんなビックリ。どういうきっかけで恋人関係にステップアップしたのかと問い詰めたところ……。
「目線が目の前にいるデリヘル嬢より地球に向いていたから」
デリヘルでその男性の家に呼ばれた際に、ペットボトルのキャップを凄く集めていたことに感激したまりな店長。ペットボトルはワクチンになる=グローバルな視点という理論で堕ちたのだとか。
元キャストである泡典子さんも過去にお客さんと大恋愛をしたことがあるとのこと。しかし今賀さんはお客さんを含めて関係者と付き合ったことはないそう。「お金でエロを割り切る素童さんの気持ちはわからなくはない」と、ほかの2人とは違った見解を示していました。
ここで、あきさんが過去に聞いたことがある変わったお客さんの話を。とあるSMクラブで必ずアラレちゃんのお面をつけてやってきて叩かれると「んちゃ!」と言うM男さんなど、なかなか味わい深いエピソードが聞けました。
また、泡典子さんも現役時代に出会った「顔まで含めたセーラームーンの衣装を用意していた」というお客さんの話を紹介。衣装をステージで闘ってるという設定のもと、お客さんは舞台袖でスタッフとしてそれを応援しながら勃起しているという謎すぎるフェチズムの持ち主だったそうです。
まりな店長も「何を言わずにシャワーの際にカツラを取るお客さんに、気が弱すぎてリアクションが取れなかった」という話を披露。お客さんは気づいて欲しかったのか携帯の上に置くという暴挙にも出たそうですが、まりな店長はノーリアクションのまま。結果、そのお客さんはまりな店長への指名をやめ、今は別の女の子に通っているとか……。
また、最近いいなと思った風俗サービスは?という議題で、NTR(ネトラレ)をコンセプトとしたデリヘルの話題に。デリヘル嬢とは別に夫役の男性が一緒に現れるシステムなんだとか。「夫も来ます」という衝撃のフレーズに震撼したとにしやまさんが激白。
しかしここで二村監督が異議を。「NTR好きな男なら、自分が夫の立場を体感したい人も多いはず。キャストと客がイチャイチャしてるところに知らない男が乱入してきてキャストは手籠めにされ、客が暫く鬱勃起するというプレイはありなのでは?」と。非常に実現性の高い提案をしていました。
イベントも終盤に近付くと、登壇者たちがそれぞれの風俗キャストに対する見解を述べ始めました。特に店舗を経営するまりな店長、あきさん、にしやまさんの3名は積極的に発言。「お店のキャストにはお客さんに対峙した際に『考えること』を教えている」というまりな店長。「客側が自分のスキルを磨き、キャストにはプロ意識を求めない」というあきさん。「あきさんとは逆に、キャストにプロとしての成長を期待し続けている」というにしやまさん。素童さんに、どんなキャストが客として一番楽しめるのかと聞いたところ……。
「俺は素人童貞なので、何が起こってもどんな相手でも楽しい」
実にその名前に相応しい解答をしてくれました。アッパレ、素人童貞!!
二村ヒトシ監督は『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』について、こんなことを述べていました。
「この作品は『男性の性とは何か』を書いている」
勃起をして射精をするというのは、男が男に成りながらも敢えてまた萎ませるという、謂わばフォルスを手放す行為。風俗は敢えてそのためにお金を払うという、寂しさや切なさが常につきまとっていると言います。そしてそれこそがこの本をエモさたらしめており、面白さでもある、と。
ぜひ、今後の素童さんの活躍とともに、風俗業界が活性化していくことを心より祈っています!
(取材・文/もちづき千代子)