アタッカーズとの出会いは、恵比寿マスカッツと並ぶ大きな出会いだった
── AVへのモチベーションもなかったというわけは？
川上 流れ作業だったからですね。得るものがなくなったんです。上昇指向が強いので、同じことをやりたくないんですよ。でも、しょうがないことなんですけど、毎回ギリギリ前夜に台本が上がって、見て、前にもやったシチュエーションだぁと思いながらやっていたのがとにかく苦しかった。だから、自分で変えようと思って変えました。
── どういう行動を？
川上 AVの現場のことをもっと知ろうと思って、スタッフさんとのコミュニケーションを取りました。裏方のことを知ろうと思って、どういう時間の流れで今日に至ってるのかということも聞いて理解できました。なので、それ
はしょうがないとはなったんですけど、じゃあその限られた中でAVのクオリティを上げていこうと思って、頭をフル回転させてその作業をしました。
── 監督にもその気持ちを伝えたんだね。
川上 監督はだいぶ戸惑ってましたよ（笑）。けっこう迷惑かけました私。
── これじゃワンパターンだから、こう変えませんか？ とか。
川上 そうです。
── 面倒くさい奴だったんだ。
川上 そうですそうです（笑）。このセリフの意図はなんですか？ とか。芝居の点と点を線で結ぶ作品にしたかったので、気持ちの流れをグラデーション化させるためにはどうしたらいいかを追求してみたんです。でも、結果として作品が売れて数字が出たので。
── このコの作品が売れるってなるのは強みだよね。次の仕事も確実に来るし。
川上 はい。AVのお芝居を見てくれた監督から映画のオファーも来たので、そこは手を抜けないって思ったんです。
── じゃあ最後はやはり、ストリップ劇場の話を。劇場に進出して久しいけど、2月は28日まで1カ月間、浅草ロック座で最後の公演をやるんですね。
川上 みんなの前でライブで脱ぐのは本当に最後です。私の生きざまを楽しんで見てもらいたいです。ストリップって、踊っている踊り子の生きざまが、見えたくなくても見えてしまうし、嘘つけない舞台なんですよ。
── 矢沢ようこちゃんも、そんなこと話してたなー。
川上 おー。ようこ姉さんが一番大好きな踊り子なんですよ。踊りを見て涙が出るくらい感動したし、背中がカッコよすぎるし、私もああなりたいなって思いました。
── ようこちゃんもアイドルAV女優からストリップに転向したけど、現役にして舞台に立ったというのはみぃななちゃんが初めてだもんね。
川上 AV現役で大トリに立つと言うのは初めてでしたから。ありがとうございます。1番嬉しい情報です。
── 強調しないとね、第一人者として。
川上 はい。私、最初ストリップのイメージがよくなかったんですけど、実際に舞台に立ったら、お客さんの熱量をダイレクトに感じられて、ストリップが大好きになったんです。そんな私の締めの公演を盛大にできると思って、いっぱい仕掛けを用意しています。本当に、多くの方に観てもらいたいです、よろしくお願いします！
◉浅草ロック座HP
■女優・川上なな実は海外進出の準備も進行中だ。アダルトビデオとストリップ劇場からはいなくなってしまうけど、新たなみぃななちゃん伝説をこれからも見つづけていくからね。とりあえず10年間、ご苦労様でした。拍手！
（インタビュー：沢木毅彦）
