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【川上奈々美 AV引退インタビュー】兄から母親に伝えられた「おかん、あいつ終わったわ」という言葉。演技に目覚めたきっかけや、浅草ロック座で最後の公演を迎えるストリップへの熱い想いを語る!【後編】

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お兄ちゃんにAVがバレて、母親に言った「おかん、あいつ終わったわ」って言葉を思い出して『全裸監督』での渾身の芝居を果たしたと言うみぃななちゃん。2月28日まで浅草ロック座で最後の公演を行う彼女が、ストリップへの熱い想いも明かす。

『全裸監督』の撮影で監督に追い込まれ、初めて「役作り」を理解した

── 「マスカッツを辞めてくれていい」とマッコイさんから言われた時の気持ちは?

川上 これ(マスカッツ)で生きられていたというところがあったので、この希望を失って何もやる気が起きなくなってましたね。

── 廃人のように。

川上 廃人になってたんですけど、そっちのほうがいい芝居ができるので、役者としては上り調子でしたね。

── へえ。役者としては一皮剥けたんだ。

川上 AVもモチベーションなくなって、マスカッツもモチベーションなくなってたけど、その病んでて苦しいものって映画で撮るとすごく映えので、起用してくれる監督が増えてきて。

── 映画の芝居がよくなったというのを具体的に言うと?

川上 本当に苦しんでたのを、ただひたすら監督が使いどころがある部分を切り取ってくれただけで。客観視できてなかったので。客観視できたのは『全裸監督』の撮影中でした。

── 本番ファックをやった挙げ句、逮捕されるAV女優役。

川上 そうそう。あの時に、今まで私を使ってくれてた監督が「もうそろそろ一皮剥けろ」って。

── みぃななちゃんの映画も撮っていた内田英治監督だね。

川上 私を『全裸監督』に無理やりキャスティングしてくださったんです。内田さんに「今回の現場は追い込むから」って言われてたんだけど、全然わかってなくて。「役作りしてきて」って言われても、役作りって何? って感じだったし。監督は私が現場で芝居をして頭を抱えてました。。

── 全然ナイスですねじゃなかったと。

川上 そう(笑)。山田孝之さんがすごい引き出してくれたり、伊藤沙莉ちゃんもたくさん愛情をくれたんですけど、それを私は完全に無視してたんですよ。

── 無視してたっていうと?

川上 信頼できなかったっていうか、人に対する警戒心が強すぎて。それで、内田監督に「山田さんがセリフを与えようとしてくれてるんだから、ちゃんと聞いて。周りを見てみて」って言われて。その視点で山田さんとかとお芝居するようになったら、すいませんでした、今までありがとうございましたって思って、そこから自分が受ける芝居が増えて、だいぶ自分の心の中も動きだして。

── 芝居ってこういうことだっていう出会いだ。

川上 そうですね。初めましての人でも信頼することが必要だとかを気づかされましたね。自分が与える必要性も受け取る必要性もあって、その中でセッションを起こさせないといけないというのをよく理解できて、そこから芝居が変わりました。自信も持てたし。

── 役作りという言葉の意味も体感できたわけね。

川上 そう。「役作りして、ほんと君ヤバいよ。どうするの」って監督に撮影の合間に言われて。あと残ってたシーンが濡れ場と、リリー・フランキーさん(警部役)の取り調べのシーンだけだったので。年をまたいで撮ったので。

── あ、そういうスケジュールだったんだ。

川上 お正月はずっと鏡を見て、「自分は闇落ちした、終わった終わった」って言い聞かせてみて(笑)。何が役作りからわかないけど、とりあえず自分を落とすだけ落とす必要性があると思って。その落とした感情を、用意スタートって始まった瞬間に出せるようにならないといけない、集中力が必要だって思ったんで、取調室のシーシではそれができましたね。

── そういう経緯があったんだ。

川上 自分の経験は武器になるので。お兄ちゃんにAVがバレて、母親に言った「おかん、あいつ終わったわ」って言葉を思い出して。

── それ、お母さんから伝え聞いたの?

川上 そうです。だからあの芝居は、嘘のない感情で動かせたのかなって思いますね。

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