「浅草に乗るとどんどん化粧が濃くなるよ」って(笑)。その意味がやっと分かりました
── 自分を知って欲しいという欲求は強いですか?
笠木 そうですねえ。やって行くからには、やっぱ私を知っていただいて、より多くの方に応援していただけるようになりたいですね。
この世界は交通費とか細かい経費の積み重ねが大きいので、頑張って結果を出して、多くの方に応援していただかないと、お仕事として成り立たないのかなあと思います。自分に投資しないといけないお金が凄くかかるんです。
AVは身一つで行けば、それこそ裸でマネージャーの車に乗ったってなんとかなりますが(笑)
ストリップは小物から衣装から自前で揃えないといけないし、メイクも自分でやらないといけません。メイクもAVなら控室に入ればメイクさんがやってくれますけど、ストリップは自メイクですから、それも自分で考えないといけません。
私は今まで普通のメイクしかしていなかったんですけど、今回の浅草でお姐さんにステージメイクを教えていただいて、初めて自分でつけまつ毛を付けました。浅草は舞台映えしないといけませんし、他の方とバランスを合わせないといけませんから。
自分でもYouTubeでメイク動画をいっぱい探して(笑)、何とか「メイク良くなったね」と言って貰えるようになりました。
ただ、ステージメイクは濃いので、これに慣れてしまうと普通のメイクが薄く感じてしまうかもしれないです。今や普段のメイクが分からなくなってます(笑)
お姐さんにも言われてたんです「浅草に乗るとどんどん化粧が濃くなるよ」って(笑)。その意味がやっと分かりました。
── 3月後半には横浜ロック座への出演が決まっていますが、内容はまだ固まっていませんよね?
笠木 そうですねえ、2回目の横浜なので今回は新作を作ろうとは思っています。まだ浅草が終わっていないので、先の公演の事が考えられていないのですが、「これいいかな?」と思った衣装などは買ってみたりしています。
ただ、2作目でやった『きらきら』という演目は必ず出そうと思います。それは仲の良いお姐さんがプロデュースしてくださって、曲の選び方や新作の作り方を教えてくださって、一緒に作って貰ったとてもカワイイ演目なんです。
新作はまだ考え中ですけど、楽しみにしてください。
── 踊り子としての今後のビジョンはありますか?
笠木 いずれは浅草でトリを飾れるような踊り子になれればなと思っています。トリとしてあのミラーボールの前で踊れる日がくればなあって。でもAVの仕事も好きなので、両方とも並行してやって行きたいですね。
ただ、AVはお仕事として波が大きくて、お仕事がない時はないですから、暇な時間が増えると焦る時間も増えてしまうんです。
ストリップは常に自分でプロデュースしないといけないので、いつも何か考えている状態になります。その分、自由な時間は減りますけど充実感はかなりありますね。
このちょっと違うお仕事を並行して続けていると、自分自身の成長に繋がるかなと思います。自分に何が合うかはまだ探しているところで、今は色々なスタイルに挑戦して、自分にできることを見つけたいですね。まだブレブレですけど(笑)
まだ1年くらいは自分に合うもの、出来ることを探す期間かなと思っています。
── お話を聞いていると、ストリップデビュー当時の早乙女らぶさんの迷いっぷりを思い出しました。彼女も方向性に悩みまくっていたんですよ
笠木 らぶ姐さんは東洋の初乗りでお会いして、一緒に銭湯に行きながら色々とお話してくださいました。「私もAVから来て、色々あったけど今はトリも任せて貰えるようなポジションになれて、まだ全然だいじょうぶだよ」と励ましてくださったんです。優しいお姐さん達に助けられてばかりですね。
── では最後にファン方へメッセージをお願い致します
笠木 今はAVとストリップの両方のファンの方たちに支えて頂けているので、今後も今と変わらず皆さんに愛される踊り子さんになりたいです。
AVのファンの方が劇場に足を運んでくださったり、そういう方とお話できたり、出会いの場が増えたのが嬉しいです。「いつもありがとう」と感謝の気持ちしかないです。
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重圧のかかる浅草公演の真っ最中という状況で、迷いの中でグルグルしている中でお話をして頂きました。今は無事に浅草公演も終わり、3月末の横浜ロック座へ向けて準備を進めている事でしょう。
アイドル的なルックスに恵まれ、着実に舞台経験を積んでいる彼女は、キッカケひとつで踊り子として大成するのではないかと期待しています。
当たり役ひとつ、公演ひとつで化けるのが踊り子さんですから、皆さんもぜひ「そのとき」を見逃さないよう、彼女を見守り続けてください。
(協力:浅草ロック座 )