ストリップデビューから10ヶ月が経ち、2022年2月の川上奈々美引退興行では、並みいるお姐さん達の中で中トリ(興行の前半と後半を繋ぐ、休憩前の重要なポジション)という大任を任された笠木いちかさん。
責任重大な川上奈々美引退興行の真っ最中に、ストリッパーとしての自分、そして今後の自分について語っていただきました。
2019年02月 kawaii専属としてAV女優デビュー
2021年06月11日 新宿ニューアートでストリップデビュー
■ストリッパーとしての経歴
2021年06月11日~20日 新宿ニューアート
2021年08月01日~10日 川崎ロック座
2021年09月21日~30日 東洋ショー劇場(初遠征)
2021年11月21日~30日 横浜ロック座
2021年12月11日~20日 東洋ショー劇場
2022年02月01日~28日 浅草ロック座(中トリ)
2022年03月21日~31日 横浜ロック座
浅草ロック座28日目🌹愛あればこそ🌸応援してくれた皆さま、ようこ姐さん、あいみ姐さん、奈々美姐さん、舞姐さん、のの姐さん、うれあ姐さん、しおり姐さん、まゆ姐さん、劇場の皆さま、本当にありがとうございました…!
愛がたくさん詰まった本大入り💓ステージからの景色一生忘れません…! pic.twitter.com/TZ4unuFn4D— 笠木いちか (@kasagiichika) March 1, 2022
浅草名物のミラーボールを背負えるのはトリと中トリの2人だけなんだよ
── 改めて、ストリップデビューの経緯からお教えください
笠木いちか(以下、笠木) AV女優としては、2月でちょうど3年になりました。AVの仕事を一通りやらせていただけたので、何か新しいことをやってみたいと思うようになったんです。
所属事務所に踊り子さんが何人かいらっしゃるんですが、マネージャーを通して「こういうお仕事をしている先輩もいるよ」と紹介していただきました。
それで浅草の舞台を観せていただいたんですが、正直「こんなのゼッタイ無理!」と思いました(笑)。私は運動もダンスも苦手で全くせず逃げて来たので、絶対に自分じゃ出来ないと感じたんです。
ただ、その内に「逃げて後悔するよりやって失敗する方がマシ」と考えるようになって、チャレンジする気になりました。事務所にも「一度やってみて、嫌だったら辞めてもいいよ」と言って貰えたので、じゃあ私なりに頑張ってみようかなと、少し気持ちが楽になりました。
浅草の感想は、ストリップという言葉自体を知らず、前情報が全くない状態で観に行ったので「こんな世界があるんだ!」と衝撃でした。お姐さんたちがキレイで普通に泣いちゃいました。
── 新宿でのデビュー公演はどうでした?
笠木 私はステージという場所に立った事がなくて、人前に出ることが苦手だったので、緊張し過ぎてドギマギしちゃって、自分が何をしているのか分からなかったです。
ただ、お客さんの方が私よりよっぽどストリップをよく知っていて、大勢の新人さんを見て来ているので、色々と教えてくれたり、励ましてくれたり、それで少し緊張がほぐれました。
記憶が飛んでしまって詳しい事をぜんぜん覚えていないのですが、多分酷かったと思います(笑)
── 東洋ショーで大阪遠征を経験されてますが、何か東京と大阪の違いや、感想はありますか?
笠木 私は元々旅行などで長距離移動をするのは好きで、大阪とか名古屋とかちょこちょこ行っていたんです。なので移動自体は全く苦にはなりませんでした。
それに川崎に上がった時に仲良くしていただいたお姐さんの中に、東洋ショーに何度も上がっている方がいらっしゃって、そのお姐さんが全部教えてくださったんです。
行き方から、荷物の作り方から、これがあった方がいいよっていう注意事項からすべて。しかも劇場にも「初めての子が行くからよろしくお願いします」と連絡をしておいてくれたんです。
ストリップの世界って教科書とか説明書がある訳じゃないので、言葉遣いやルールを教えてくださるお姐さんがいてくださるのは、とても幸せですね。
東京と大阪はお客さんに特徴があって、大阪のお客さんの方がノリが良いと思います。気さくに話しかけてくださったり、手拍子も派手だったり。いわゆる大阪のノリというか(笑)
── デビュー1年足らずで浅草初乗り、さらに中トリを任されましたね
笠木 中トリは本当にもう……、最初は中トリが何かすら知らなくて、決まってから色々と教えてもらったんです。中トリを任されるのがどういう事なのか知らなかったんですよね。「浅草名物のミラーボールを背負えるのはトリと中トリの2人だけなんだよ」とか、後から聞かされて緊張しました(笑)。
今の公演は川上奈々美姐さんの引退興行なんですけど、初対面の私に奈々美姐さんが優しく接してくださって、それもあって絶対に失敗できないという想いがありました。お姐さんの門出なんだから笑顔で終わりたいじゃないですか。
そこにプラスで中トリという重要な景を任せていただいて、1人だけで踊るポラ館の時よりも必死で練習しましたね。
── 浅草は他と違って群舞で過酷だと言いますが、その初体験はいかがでしたか?
笠木 初日はもう緊張しましたけど、でも舞台を成功させたいとか、他のお姉さんの足を引っ張りたくないっていうのがあって「何とか動かなきゃ!」という思いが強いです。がむしゃらに何とか身体を動かしている感じでした。
練習に関しては、練習スケジュールを見たら思ったよりも期間が短くて驚きました。しかも私の練習は後の方に入っていて、その分ぎゅ~っと凝縮していましたね。
振り付け動画を家でも常に流して見続けて、家事をしながら身体を動かしたり、自分でスタジオを借りて空いた時間に練習したり、気付いたら何が何だか分からない内に前日のゲネになっていて、本番衣装を着せられていて「あ~~~?」って(笑)
とにかく時間が足りませんでしたけど、みんなで作っている物を壊したくない一心で何とかここまで来る事が出来ました。
── 舞台を拝見しましたが、笠木さんはこれが初浅草とは思えないほど、いわゆるアイドルとしての役目をしっかり果たしているように思えました。ご自身ではどう感じていますか?
笠木 中トリに選んでいただけたということは、それなりに期待して貰えているのかなとは思いますが、今はまだ公演中ですし、とにかく他の方の脚を引っ張らないようにという気持ちが強いですね。
ただ、浅草はこれまでに経験して来たポラ館よりも客層が幅広くて、色々なお客様が観に来てくださいます。女性客も多いですし、そういう部分ではより多くの方に私を知って貰えるかなと思いました。