実はナンパ待ちだった!?真昼の一人カラオケ妻
◯お一人様で楽しめる店が急増中
身近なレジャーとして、すっかりおなじみとなったカラオケだが、ひと頃のブームに比べると、最近では二次会などでもあまり使われなくなっているようだ。業界に詳しい経済ジャーナリストのM氏に話を聞いた。
「全体で見るとカラオケ人口は減っています。近年、職場での宴会などが少なくなったというのも理由のひとつと考えられます」
ところが、最近では別のカラオケユーザーが増えつつあると言う。「ヒトカラ、つまり一人で行くカラオケです。メディアなどで『おひとり様』という言葉が定着して、以前は一人で行くのが恥ずかしかったカラオケも、普通に入れるようになってきたというわけです」
カラオケはみんなでワイワイ楽しむもの、という認識はもう古いらしい。いまやカラオケは、マンガ喫茶と同じ個室感覚で利用するものなのだ。「特に昼間は、家庭の主婦やお年寄りが多く利用しているようです」
お年寄りはともかく、主婦が多いというのは聞き捨てならない。調査を開始するにあたって白羽の矢が立ったのが、フリーライターのS。彼は風俗ライターなのだが、いつもあらゆる繁華街をたむろしており、カラオケ店にも足しげく通っているのだ。
「ヒトカラ、多いっすよ。昼間なんか客の半分くらいはヒトカラじゃないっすかね」夕方になると学生などグループ客が増えてくるため、逆にヒトカラ客は少なくなるという。これで張り込む時間帯は絞り込めた。
「あと、ヒトカラしやすい店もあるっす。『H』ならヒトカラ割引があるし、『P』は予約ができる。回線を使ってランキングバトルができる『B』なんかも、一人で遊べて人気があるみたいっすね」
狙いをつけたのは、Sの根城であるT区の沿線だ。下町情緒の残る同区には、繁華街とともに一般住宅も密集している。
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