西日本最大の色町と言われる大阪。中でも賑わいを見せているのが、安価で若いコと話せるガールズバーだ。しかし、近年は悪質店の存在が問題化して条例も強化。そんな規制を逃れるためにここ数年急増しているのが飲食店を装ったニセ飲食店バーである…。
◯類似店が続々と…大阪で横行するニセ飲食店
東京歌舞伎町と並ぶ人気の歓楽街が大阪ミナミである。道頓堀のド真ん中に位置する宗右衛門町は多くの飲食店が軒を連ね、夜になれば数々のネオンを輝きを見せる。
しかし、その一方でぼったくりや暴力バーなど悪質店が紛れ込み、客が被害を受けるケースも少なくない。飲食店関係者はこう話す。
「大阪では昔から暴力バーがグループ店として一定数存在している。やり方は簡単。店に来た客に高額な料金を提示し、払わなければ殴るというもの。府警も悪質店に目を光らせているが、店長も逮捕要員である『雇われ』的な人物だけに店を摘発してもグループの壊滅には至らない。そこで府警は風営法の規制を強化させたんです」
当然ながら規制の強化は他の一般的にまで波及。そこで「営業がままならないから」と登場したのがニセ飲食店だ。
「さすがに深夜の接客が出来なければ店の稼ぎはガクンと落ちる。そこで現れたのが飲食店届けを出したガールズバーです。府警は無許可の接待を許可していないが、飲食店ならば接客をしてもOK。そこに目をつけた店側が続々とニセ飲食店をオープンさせたんです。ここ最近は潰れているお店も多いですが、それでも店の数はそれなりにありますよ」(同)
ニセ飲食店の食事メニューは実に様々だ。記者が確認しただけでもチヂミに湯豆腐、おにぎりと幅広い。
「ミナミのガールズバーのキャッチの中には『おにぎり食べないですか?』と聞いてくるところも。もちろん、ニセ飲食店はミナミだけに限らずガールズバーが多い梅田や京橋にもありますよ」(同)
◯1個で1万円の高級おにぎりを出す暴利店舗も
記者も早速、ミナミにあるおにぎりバーへと向かった。
「いらっしゃいませ」
店内はカウンター席のみで雰囲気はまさにバーそのものである。席に座るとカウンター越しに女のコがやって来る。壁には『おにぎり1個1万円』という紙が張られていた。記者が壁紙を指さすと女のコは面倒そうに答えた。
「あー警察の関係で一応です。もしかして頼みます?」
記者がかぶりを振ると彼女も苦笑いを浮かべた。
「ですよね。今まで頼んだ人いません(笑)」
「お店はどれぐらいやってるの?」
記者の質問に彼女はピースをする。2年ということのようだ。不意に女のコが
「お兄さん、記者さんでしょ?」と言い放つ。観念して頷くと
「やっぱり。最近、こういう店だから多いんです」と笑う。
会計を済ませ、店を出ようとした時、彼女に呼び止められる。
「あんまりひどいことは書かないで下さいね」
そう言うと彼女は入れ替わりで入店したサラリーマン風の男に笑顔を向け、店の奥へと消えていった。
(掲載元=ズバ王)
(記事構成=デラべっぴんR)