「色街」甘酸っぱく怪しげな響きが漂う昭和の風俗街は、いま時代の波に飲まれ次々に消えゆこうとしている。そんなノスタルジックな色街の今を訪ねてみた。PART2
福岡久留米◎旅館の扉を開けて 「女のコいる?」
福岡県の久留米市には、ごく普通の民家のなかになにやら怪しげな旅館が点在する地域がある。
戦前戦中、このあたりに陸軍の駐屯地があり、もともと旅館は兵隊さんの家族が利用するための宿泊施設として建てられたという。そして戦後、そうした旅館が生き残るための手段として近くの遊郭と合体して、新たに誕生したのがこの怪しげな旅館の正体。
民家のなかに点在する一風変わった裏風俗として愛され続けている。と言っても、現存する旅館は1、2軒のみ。もはや風前の灯と言えるだろう。
遊び方は、旅館の扉を開いて、ヤリ手バアア風のおばあちゃんに「女のコいる?」と尋ねなければならないという、常連以外には少々ハードルの高いシステム。
記者が遊んだ際は、「20代のコがいるよ」と言われて、中央に煎餅布団が敷かれた小さな部屋に通された。そしてシャワーを浴びながら待っていると、確かに20代半ばくらいの女のコが登場。
この手の風俗は20代と聞いて40代が出てくることがザラにあるため、少し意外である。
「昼間は私一人だけど、夜になると他の女のコも何人か出勤してくるよ」
と彼女。賑わっているとは言い難いが、それなりに客は入っているようだ。料金は20分8000円。
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