OP PICTURES TEAM 若 -WAKA- 中日舞台挨拶
9月25日から東京・渋谷にあるUPLINK渋谷で開幕した若手監督によるピンク映画、BL映画の特集上映「OP PICTURES TEAM若 -WAKA-」は、普段、ピンク映画を観る機会がない層にも話題が波及し連日大盛況を博している。
2週間にわたる上映の折り返し地点に差し掛かった10月2日の上映でも場内は熱気にあふれ、若年層から女性まで幅広い観客が訪れていた。
この日はピンク映画の登竜門である「OP PICTURES新人監督発掘プロジェクト」の2017審査員特別賞を受賞した塩出太志監督による『童貞幽霊 あの世の果てでイキまくれ!』が上映された。
昨年、11月に上野オークラ劇場で上映された際には舞台挨拶に出演者、監督、そしてタレントの鳥居みゆきさんら13人が登壇し話題を呼んだ作品だ。
今回の舞台挨拶には出演者のきみと歩実ちゃん、西山真来さん、塩出太志監督が登壇し撮影時のエピソードなどを披露した。
塩出監督から撮影時の感想を聞かれたきみと歩実ちゃんは、「基本的に私は化粧もほとんどせず血色の悪い女の役でした。あんなに顔が薄い状態で出演したのは初めてでした。どうしようと思いながらも楽しい撮影でした」と口裂け幽霊役を演じた当時を振り返った。
撮影時の秘話としては「塩出さんはそんなに遅くまで撮影をしないんです。ピンク映画は朝の6時から始まって、翌日の3時、4時まで撮影がかかるんですけど、深夜まで撮影がかからず、みんな元気でした」ときみと歩実ちゃんがコメント。
それを受けて塩出監督は「今回の撮影は5日間と初めから決めて撮りました。深夜に撮影すると眠いじゃないですか。5日間くらい撮影するとみんな思考能力が低下しないからいいですね」と返答。
苦労した点を聞かれたきみと歩実ちゃんは「アクションシーンが大変でした」とコメントしたが、「アクションしていないじゃないですか」とすかさず塩出監督から突っ込みが入り会場から笑いが起きた。
女優として活躍する西山真来さんは「すごく楽しい撮影現場って聞いていたら、実際にすごく楽しくてよかったです。セリフ合わせの日に初めて会う人が多いから緊張すると思っていたけど、Dragon Ashや globeの曲が爆音で流れているなか、セリフ合わせをしたから緊張しなくて、めっちゃ楽だなと思った」と思い出を語ってくれた。
それに対して「あれは気を付けてやっているんです。セリフ合わせは張り詰めるじゃないですか。『なんで張り詰めているねん』ってことがないように、曲を流している最中にしゃべっておいてみたいな感じにしているんです。ちょっとざわざわしているところでやる方がいいんじゃないですか。撮影のときに張り詰めるからリハーサルのときくらいゆっくりやりたい」と塩出監督独自の美学を語ってくれた。
また、きみと歩実ちゃんが「最初、監督に会ったとき、監督じゃないと思った。予想した人と全然、違っていて監督を探しました。こんなにポップな人とは思わなかった」とコメント。
すると、ここからきみと歩実ちゃんの爆笑エピソードが次々と披露。
「きみとさんと会った時に幽霊役なのでマネージャーさんにヤセておいてと伝えたんです。ゲッソリしていた方がいいじゃないですか。でも、ポヨ~ンとしていて、すごく元気で血色がいい幽霊で健康そのものでした」(塩出監督)。
「なんの苦もなく死んだような幽霊でした」(きみと歩実)。
「ヤセておいてという話は伝わっていたんでですか?」(塩出監督)。
「白装束がパンパンで力士みたいになっちゃった」(きみと歩実)。
「寒いから下になにかを着てパンパンにしておいたんですよね?」(塩出監督)。
「ヒートテックを3枚くらい着ていました。着ぶくれです」(きみと歩実)。
「干しシイタケとかコンニャクはどうですか?」(西山真来)。
「ボクサーじゃないですか」(塩出監督)。
「コンビニにあるゼロカロリーは全部買います」(きみと歩実)。
「打ち上げで居酒屋の茶色い食べ物をめっちゃ美味しそうに食べているんです。それを見てみんな和みました。最後に一つだけ残ったものをきみとさんにあげると、すごく美味しそうに食べるんです。長所です」(塩出監督)。
と3人が絶妙なやりとりを展開させ観客を沸かせた。
今回、上映された『童貞幽霊 あの世の果てでイキまくれ!』は10月7日にも上映。再びきみと歩実ちゃんが舞台挨拶に登壇するので、また楽しいトークが期待できそうだ。
なお、特集上映「OP PICTURES TEAM若 -WAKA-」は10月8日までUPLINK渋谷で絶賛開催中。引き続き舞台挨拶も行われるので、ぜひ、この機会にピンク映画、BL映画を体感しよう。
(写真・取材 神楽坂文人)