連載開始時から話題沸騰! 今年4月にアダルト界引退を発表し世間を驚かせた川上奈々美ちゃんが、俳優業に専念する2022年2月まで対談連載を行いセクシー女優たちと真剣勝負! 人生の酸いも甘いも嚙み分けた奈々美ちゃんが気になるゲストを呼び、ゲストの今後の人生設計やプライベート話を聞き、ガチンコ対談をするのだ。
第2回目のゲストは親友であり、良き理解者である神咲詩織ちゃんが登場。2人の出会いから仲が深まるまでの様子、そしてセクシー女優の権利まで幅広く語ってもらった。
対談時は終始、リラックスモードだった2人。どのようなディープな内容になったのか、ぜひ、ご覧ください!
▼前回の対談はこちら!(ゲスト:向井藍・あおいれな)
川上パイセンカウントダウン対談カウント9・前編!
── 2人の仲の良さは有名ですが、出会いはいつですか?
川上奈々美(以下、川上)恵比寿マスカッツです。2015年10月にオーディションの合格が決まり、テレビ東京の番組として決まったので記者会見が華々しく行われた頃が初めての出会いです。恵比寿マスカッツには夢を見ていた?
神咲詩織(以下、神咲)私は(恵比寿マスカッツが)3年やったら終わると聞いていたので、その期間はやろうと思ってたの。本当はその前に引退しようと思っていたんです。
── それは初耳で意外な言葉です。
神咲 奇数年ごとに引退を試みていたんです。その頃、me-me*(ミーム)というユニットをやっていたんですけど2016年4月に終わると決まっていたから、AV女優を辞めようと思っていたんです。
でも、事務所から恵比寿マスカッツというグループが結成される話を聞いていて、3年限定だから勧められたんです。3年なら引退も待ってもいいかなっていう気持ちで恵比寿マスカッツはやったんだよねえ。
川上 引退する気持ちがあったのに、そこから3年やろうって持続させるのはしんどくない? 私はそれだとしんどくなっちゃう。
神咲 う~ん・・・。多分、AVに対する意欲がそこまでなかったから逆によかったかな。続ける理由もできたし。恵比寿マスカッツがなければ、その時点で辞めていたかな。だから、3年後(2019年)の12月に辞めたんです。
── お互いの第一印象はどうでしたか?
川上 全く接点がなかったよね。
神咲 なんでこんなにしゃべるようになったんだろう?
川上 私は周りが見えていない人だったから・・・。
神咲 うふふ(笑)。
川上 恵比寿マスカッツに入ってから、「とにかく1列目に座ってやる」、「みんな敵だよ」っていうくらいジャックナイフみたいな気持ちでいたんです。でも、かみしお(神咲詩織)は楽屋で俯瞰から全メンバーを見ていたんです。私が副キャップを降ろされた時に、自分の立ち位置が恵比寿マスカッツにあると思っていたのに居場所をなくされて病みまくっていた時に、かみしおがご飯に誘ってくれたんです。
神咲 はい、はい、そうだったかな。
川上 他のメンバー数名と私とかみしおが同じグループとして見られていたんです。
神咲 自分たちではそう思っていないんですけど、周りがそう思っていたみたいです(笑)。
川上 私たちのグループが意地悪な奴らみたいな扱いになったんです。
神咲 ちょっとキャラが強かっただけなのと、お酒好きが集まったメンバーなんです(笑)。
川上 でも、最初の頃は何をしゃべっていいのか分からなかったから、まだ2人きりで飲むことはなかったよね。そのうち流れで飲むようになったのは不思議だね。
神咲 そうだね。
川上 本当に私が死にかけていたから「美味しいものを食べに行こうよ」って言ったんじゃないかな。その頃、私はご飯を食べていなかったんです。ストレスでどんどんガリガリになって、かみしおとご飯に行ってお酒も飲んだら「美味しい!」ってなって。命の恩人になってくれたんです。
食へのコンプレックスがあったので、テーブルに料理がたくさん並べられていると、それを全部食べないといけないと思って苦しくなる体質だったんです。でも、かみしおは並べられた料理をたくさん食べてくれるんです。
神咲 私は本当によく食べるんですよ(笑)。でも、(川上は)頼むときに悩むんだよね。「これとこれとこれは食べたいけど、食べきれないからどうしよう?」っていう悩み方をしていることに気が付いたんです。だから「私が全部食べるから、心配しなくていいから頼もうよ」って注文したんです。
川上 かみしおが完食するからストレスもプレッシャーもなくなって、「かみしおとご飯に行くからいいんだろうな」って思ったんです。気を許した人としかご飯を食べられないので、そこを開放してくれたのがかみしおだったんです。
── 神咲さんが2011年3月にデビュー、川上さんが2012年1月デビューだから、2015年までかなり時間があります。その間はお互いの存在を知っていたんですか?
川上 先輩っていう感覚が大きかったかも。
神咲 私は知っていました。
川上 波多野(結衣)さんとme-me*をやっていたから、そういう派閥があるんだと思っていたんです。さっき話した恵比寿マスカッツの仲良しグループのメンバーがベロベロに酔っぱらっている中に、かみしおが淡々といるのが不思議だったんです。最初は私が警戒していたんだと思う。
神咲 警戒されることが多いんです。私は何も考えていないんですけど、裏で違うことを考えているように見られがちなんです。
川上 見た目もキレイだし、性格が強そうだからかな。でも、直接会って目を合わせて話すと思っていることも分かるし、かみしおは自分がやってあげているってことを一切伝えないし、あらわさないし、弱音も1コンマさえも吐かないから、それが私は怖いと感じていたんです。そんな完璧な人間がいるかって感じで。
神咲 だから、裏があると思われるんです。
川上 でも、やっぱりガマンしているんですよね。
神咲 そうなのかな~?
川上 それが垣間見えたんです。
神咲 人見知りをしなくて強そうに見えるけど、実は人見知りだから心を許した人にしか弱い部分を見せないんです。だから、怖がられますよね。
川上 いままで数えられるくらいの人にしか弱い姿は見せていない?
神咲 見せていないかな。
川上 自分ではこの人には見せられるって見せているかもしれないけど、本当に見せられているのかな?
神咲 分からない。
川上 見せていないと思います。
神咲 限りなく見せていないと思います。
川上 「私はSOSを100%出している」って思ってるかもしれないけど、周りは全然、気が付いていないかもしれないよ。
神咲 そうなの。
── そうやって徐々に仲良くなった2人が一気に仲良くなったきっかけはあるんですか?
川上 本当に私の体を良くしようとしてくれているのが分かったからかな。去年、浅草ロック座に立っていた時に「ご飯を食べにくる?」って誘われたので、23時か0時くらいにかみしおの家に行ったら、何種類ものおかずが用意されていて、食べたら塩分が控えめだったんです。疲れている私のために塩分まで調整してくれていることを知って、「これは無償の愛だ!」と気づきました。
最近だと私が川崎ロック座のステージに上がっている時にお弁当を作ってきてくれたんです。でも、そのことをアピールもしないんです。私はアピールしちゃうから(笑)。
神咲 逆にアピールできないんだよね。
── そこまで川上さんに尽くすのはどうしてですか?
川上 それは私だからってことじゃないと思う。かみしおはそれがスタンダード。
神咲 そうかもしれない。
川上 そういう人間なの。それを見せないのがマジでもったいない(笑)。
神咲 それで警戒を崩してくれた人は仲良くなるみたいです。私から「ここが好きだ」っていくことはあまりないんです。
川上 そう、相手がかみしおにくっついているだけ。きっとかみしおと一緒にいた人たちは、かみしおがなんでもやってくれるから甘えすぎちゃうんです。
神咲 うん、うん。
川上 無意識に甘えすぎちゃってかみしおも負担になるんです。かみしおが優しすぎちゃうんです。
神咲 そうなんだよね~(しみじみ)。私自身それが楽っていうのもあるんだよね。居心地がいいかな。
── こういったプライベートの親密な話もよくするんですか?
川上 やっとするようになりました。過去の男もお互い知っているし。その人たちとの関わり方も全部見てきたから、「こういう時はこうなるんだ」って分かったうえでまた同じ失敗をしそうなら、ちょっとアドバイスしようかなってなります。いまの旦那さんと出会う頃に話し出した気がする。
例えば日本人のほとんどは誰かが席からいなくなると、その人の話をするんです。それが極端になっていくと「私があの子のすべてを知っている」というしゃべり方になるんです。この前、かみしおと一緒に食事に行った時に我ながらいいなと思ったのが、ある後輩AV女優さんが踊り子になるならない話になって、踊り子の世界は厳しい世界だし、その子は強気な見た目だから、(姐さんから)厳しく言われて、めげるんじゃないかって心配をしていたんです。
私はその子に対して「踊り子の世界は本当に大変だから」と言ったんですけど、目を見て聞いてくれないんです。その聞いてくれない理由が、私が先輩面したんじゃないかって、かみしおがその場で言ってくれたんです。実際、本当にそうなんですけど(笑)。
神咲 怖かったのかなって思ったんです(笑)。
川上 それが原因だってなったんですけど、かみしおは人の悪い部分を絶対に言葉に出さない人なんです。心に留めておいて、相手がいつか分かってくれればいいなって願っているんです。でも、その時は「みぃなながやっちゃったんじゃないの」ってユーモアを交えて言ってくれたことが本当に嬉しかった。
お互いの関係も変わってきているんだなと思いました。それって言える相手じゃないと言えないし、言い方も大事になるから。
── お互いこの業界で一番仲がいい同士と思っていますか?
神咲 そうですね。
川上 そうだね。
── お互い恵比寿マスカッツ、単体女優、ストリップ、そして引退時期も、前後しますが同じような時期です。どっちがどっちを追いかけているのか分からないですが、活動が似ていますよね。
川上 かみしおが引退するのは寂しかったですね。
神咲 「寂しい」って言っていたよね。
川上 そう言われる側も大変だなって最近は思いましたけど(笑)。
神咲 言われるの?
川上 言われる。
── 神咲さんは今回の川上さん引退を聞いてどう思いましたか?
神咲 周りが「もういいんじゃないか」「辞めたら」って言っても結局、決めるのは自分の意志だから、「ようやく決断したんだな。お疲れ様」って感じでした。