連載開始時から話題沸騰! 今年4月にアダルト界引退を発表し世間を驚かせた川上奈々美ちゃんが、俳優業に専念する2022年2月まで対談連載を行いセクシー女優たちと真剣勝負! 人生の酸いも甘いも嚙み分けた奈々美ちゃんが気になるゲストを呼び、ゲストの今後の人生設計やプライベート話を聞き、ガチンコ対談をするのだ。
第2回目のゲストは親友であり、良き理解者である神咲詩織ちゃんが登場。2人の出会いから仲が深まるまでの様子、そしてセクシー女優の権利まで幅広く語ってもらった。
対談時は終始、リラックスモードだった2人。どのようなディープな内容になったのか、ぜひ、ご覧ください!
川上パイセンカウントダウン対談カウント9・後編!
川上 今回、対談したかった理由は、かみしおの“幸せの形の選び方”がすごくかっこよかったんです。
── いよいよ本題に入ってきましたか。
川上 子どもを産みたいって言ったんです。
── ステキな話です。
神咲 結婚後の活動の幅は選んでいるんですけど、結婚している自分の人生と神咲詩織をしている人生のどちらも公に出ているじゃないですか。結婚の話が出てきたことで、結婚と神咲詩織のどっちを選ぶべきか選択を迫られることが結構あったんです。
自分の気持ちだけじゃなくて、旦那さんの気持ちと思いを聞いた時に、そこを傷つけてまでやりたいことなのかって考えて、そこまでして引退後のあるジャンルの活動をしたいのかなって思ったんです。
いままで裸を見せてきたので、いまさら服を着たところで私の裸はネットとかで出てくるし、どこにでもあるからくらいに思っていたんです。
でも、大切な人の気持ちがあるんだなって。自分のせいでその思いを守れないのはイヤだと思えるくらいの相手に出会えたのはすごく幸せです。いままでの相手にはそう思えなかったんです。神咲詩織を優先してきたんです。でも、いまは相手を思える自分にビックリしています。
── 神咲さんの旦那さんはプロレスラーですけど、ケガがつきものです。そちらの心配はないですか?
神咲 心配ですけど、私が心配したところでしてあげられることは何もないので、ケガなどの可能性を極力減らすためのサポートはしてあげたいです。
川上 それが朝のお弁当の写真に出ているんだ。あんないっぱいおかずを作るかって(笑)。めっちゃ願掛けしてるじゃん(笑)。
神咲 今日も朝4時15分に起きて作ってきました。
川上 大変じゃないの?
神咲 全然、全然。
川上 こう本人は言うんです。
── いままでの彼氏にはそこまでしなかったですか?
神咲 わりとするのは好きです。
川上 ご飯は作っていたからね。
神咲 ご飯を作るのが好きなんです。鶏肉はもも肉は使わずにむね肉を使うんです。できたらブロッコリーを入れてほしいとか要望はあります。
川上 かみしおには読者に「結婚っていいよ」ってことを教えてほしいんです。私はもうちょっと先、10年後でも60代でもいいかなって選択をした人間だから。でも、かみしおを見て「結婚は素晴らしい」と思ったんです。
神咲 ほう!
川上 本当に思ったんです。かみしおは人前で泣かずに、隠れてしか涙を流さないんです。でも、旦那さんにプロポーズをしてもらった夜は涙が出てきたと。
神咲 涙が溢れました。しかも嬉しい方で涙が流れるなんて思ってもみなかったです。
川上 その時、泣いた理由が「私はもう一人じゃなくていいんだ」って言うじゃないですか。
神咲 あと、こんなに当たり前に愛されて幸せな未来を描いていいんだって感極まったんです。
川上 普通、自分の幸せを思い描くじゃないですか。かみしおも自己肯定感が低いと思いませんか。あはは!
神咲 普通の幸せを感じられるんだって思い、ウエ~ンってなりました。
── いままで感じられないと思っていたんですか?
神咲 そんなはずはなかったんですけど。
川上 そこで初めて気づいたんだろうね。「自分って幸せになっていいのかな?」って普段、思っていたんだろうね。
神咲 どこかにあったんだろうね。
── 幸せになれない、なってはいけないという足枷があったんですか?
神咲 なんだろう?
── 神咲さんは人生が自信満々に見えますけど。
神咲 それがそうでもないんですよね(笑)。
川上 人前で脱いでパフォーマンスしている人は身を削っているわけじゃないですか。自己肯定感や自分に自信がないから脱げるってことがあるんです。
神咲 うん、うん。
川上 自信があるから脱ぐんじゃないんです。沖田杏梨さんが「本当に日本のAV女優の子は自己肯定感が低い」って言っていたんです。聞いた時は「どういうことなんだろう?」って謎だったけど、5、6年経ってやっと分かったんです。
── 明るいイメージのポルノスターと、どこか陰のあるイメージを押し付けられるAV女優の違いですか。
神咲 本当はそういうイメージじゃなくて違うよね。
川上 家事やお弁当作りを毎日すごくしっかりしているでしょ。でも、ランチに誘うと旦那さんを気にして出られない感じがあったんです。
神咲 私が勝手に思いすぎているんです。
川上 旦那さんがちゃんと忙しく仕事をしている人だから、外で遊んでランチにお金を使っているのが悪いと感じているのかなと。
神咲 そういう気持ちは積もり積もると相手の不満にも私の不満にもなると思うんだよね。
川上 でもこの前、旦那さんに言われたんだよね。
神咲 「家事とか完璧にしなくていいよ。もっと自由に遊んでいいよ」って言われたんです。
川上 その言葉を男の人から言う人がいるんだなって思いましたよ。それだけ、かみしおからにじみ出るSOSを感じたんだと思います。
神咲 ありがたいね。
川上 そのSOSって気が付かないから本当にすごいことだよ。私もかみしおから「すごく無理してるじゃん」ってSOSはすごく感じていたんだけど、言うのもあれだしって思っていたら、旦那さんから言ってくれるのはすごいよね。かみしおは無意識に気を張っちゃう人だから。
神咲 すごいよね。よく気が付いてくれたよね。
川上 旦那さんが仕事に行っていたら自由じゃないですか。ちゃんと家のことをしていれば遊んでもいいのに、「彼がお仕事をしているから」って言うんです。
神咲 私は彼に言わないで遊びに行くのもイヤだし、かといって逐一、「誰々とランチに行った」っていうのも違うし、他の人はどうしているんだろうって思うんです。
川上 奥さんが幸せにしているのを見るのは、旦那さんにとってもすごくいいことだよ。
神咲 じゃあ、楽しそうにしているのはいいことなんだ。
川上 いいと思う。敬意を持ったうえで楽しく話せば大丈夫だと思う。「今日は誰々ちゃんと会って、何々を食べておいしくて、会話も楽しくて」みたいな話し方はいいと思う。
神咲 いま、そう言われて、言っていいんだって思った。
川上 いまの話はすごくリアルじゃないですか! AV女優を引退した後の結婚生活を話す人は絶対に誰もいないじゃないですか。これが積もり積もって旦那さんに色々話せなくて、ストレスが溜まりAVにまた復帰する女の子もいると思う。
神咲 引退後にこういう生活スタイルがあるんだっていうことを発信したいです。女優さんの引退後は謎に包まれているじゃないですか。だからなのか、みんなよくない方ばかりを想像しているみたいです。
そんな不幸な人生を歩んでいるわけがなくて、私が幸せを実証して、そういうことを言っている人たちがぐうの音も出ないようにさせたいんです(笑)。
「幸せだ」って言っても信じないじゃないですか。でも、こうして実際に見ていれば「ああ、幸せんなんだ」って分かると思うんです。それによって、こういう生き方もいいんだって思ってほしいです。
さっさと辞めて結婚しろって言うわけじゃなくて、仕事はやり遂げてほしいんですけど、その後にちゃんと幸せであることを胸を張って言っていいし、職業でそう言ってはいけないとかはないと思うのでサンプルになりたいかな。
川上 そう言えば全作品を公開停止にした?
神咲 全作品公開停止の申請をしたの。
川上 そういうふうに公開停止したことを堂々と言った方がいいと思う。
── こそこそ悪いことをしているわけでなく、ちゃんとした権利ですからね。
神咲 調べればいくらでも出てくるから隠す気はないんです。DVDを持っている人は宝物のように生涯、観てくれればいいよね。
川上 私は絶対に意地でも公開停止にしないって決めたんです。でも、公開停止することは悪いことではないってことは言いたいんです。そのシステムができたのは最近だし、それを受け入れたAV業界ってすごいって思うんです。
世間は怖い世界って言うけど、いまは女優の人権を守る意識とシステムが強いから臆することなく引退後の人生でやりたいことをやってほしいし、やりたいことが決まったら現実的に公開停止するのかしないのかちゃんと考えてほしいです。
神咲 一つだけ注文があるんだけど公開停止の申請方法は見直してほしいです。私は約10年間の単体作品だからだいたい100本くらいだけど、キカタン女優さんなら作品数が多くて、申請方法に心が折れていると思う。
川上 作品名と女優名を全部書くんだよね。
神咲 しかも最近はタイトル名が長いし、漢字も難しいし。
川上 そういうシステムはどんどん改善してほしいです。
── 引退した女優から声が上がると効果がありますよ。
川上 書いているうちにこれは廃止させにくくしているんじゃないかと思うよね。
神咲 これは結構、心が折れるなって私も思った。
川上 これを読んだ関係者の方、改善をお願いします。
神咲 この作品は停止にして、この作品は残すって女優さんはいないと思うから、もう少し簡単に手続きできるようにしてほしいです。諦めている女優さんもたくさんいるだろうなって思った。
── まだまだよくなっていく業界にしてほしいですからね。
川上 かみしおはこれからはどうしていきたいのかな?
神咲 いまは「居酒屋こあら」というイベントやライブもやっているけど、多分、この先、東京にいなくなるかなと。
川上 寂しい~!!!
神咲 でも、2、3時間で来られる距離にはします。この先、子どもを産んで小学生くらいになった時に地方に行くかな。そこで落ち着いたら居酒屋こあらのお店を開きたいの。
川上 それは初めて聞きますよ!!
神咲 東京ではお金もかかるし競合も多いから、地方で小ぢんまりやろうかなと思っています。
川上 すごくいい!
神咲 その地方に来てくれた方がフラっと遊びに来てくれたらいいかなあ。
川上 結婚する前は引退後に居酒屋をしようとしていたからね。
神咲 本当にしようと思っていたんです。
川上 先まで考えているんだね。私の逃げ場としてその居酒屋はあるんでしょ。
神咲 そうそう、シェルターとして来てもらって(笑)。
川上 私は家族なので、一生独り身でもかみしおがいるので安心なんです(笑)。
── 先に引退、結婚した神咲さんから川上さんにメッセージはありますか?
神咲 最後まで全力で駆け抜けてほしいです。私とは違った形でAV女優さんの道しるべになっているので、2人でずっとかっこよくいきたいです。
川上 たくましくやっていこうと思いますよ。
神咲 選択肢は必ずしも私たちの2つだけじゃないので、他の女優さんもいろんな選択肢を選べると思ってほしいです。
川上 自信を持ってほしいです。上昇志向があって幸せになりたい思いがしっかりある人はステキだから。
神咲 幸せを選んでいいってことをみんなに伝えたいです。
川上 すごくシンプルなことなのに、意外とそれを忘れちゃうよね。
神咲 なんでだろうね?
── AV女優の一部も、悪意のある人もAV女優は幸せになれないって思っている人はいますからね。
神咲 幸せになれるはずがないって思っているユーザーも一部にはいますよね。しかも、女優本人たちも思っちゃっているよね。
── まるで思い十字架を背負わされている感じです。
川上&神咲 そうなんです。でも、そんなことはないですから。
── 実際にAV女優を長年経験した2人がそんなことはないって言っていますから、不幸なことはないんです。むしろ2人は幸せを実証しています。今後はAV卒業後、ちゃんと公に出て新しい世界に挑戦していく女優はどんどん出てきますよ。
神咲 出てほしい。
川上 グレーでネガティブだからエロく見える時代はもう終わったと思います。
神咲 哀愁的なね。
川上 もう、そういう時代は終わりました(キッパリ)!
神咲 時代とはそれは合わないです。
川上 ミステリアスなものに見せないとエロく見えないから、私自身やってはいけないものがたくさんあるってずっと思っていたんです。そうしたら、すごくしんどくなった。でも、その価値観はもう終わりましたって自分で決めて、表現したらすごく楽しいし、みんな幸せになっていくから、それでいいじゃんって思いました! グレーでネガティブな時代は終わりました!
神咲 ネガティブにならなくても作品は撮れます。
川上 私たちがそう言え言うほどミステリアスな女優さんは逆に際立つよね。うちらは何も隠すものはないから。あはは!
神咲 ははは! おっぴろげです(笑)。
── 2人が新時代宣言をしてくれて新しいアダルト界の未来が切り開けました。今回もありがとうございました。
川上&神咲 ありがとういございました!