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【戸田真琴「月で逢いましょうvol.14」ライブレポート!】悲しみ、喜び、苦しみ、慈しみ、あらゆる感情を歌として昇華! 独自の世界観から絶対的世界観へと進化した戸田真琴から目が離せない!

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「月で逢いましょうvol.14」

4月にライブ「月で逢いましょうvol.10」を行ったばかりの戸田真琴(以下、まこりん)ちゃんが、628日に東京・三軒茶屋グレープフルーツムーンで「月で逢いましょうvol.14」を開催し多くのファンを魅了した。

同ライブにはボーカリストでピアニストの平方元さんとギタリストの福田正人さんも出演しライブを盛り上げた。

サングラス姿で登場したまこりんは『ジユーダム』(椎名林檎)からスタート。敬愛するアーティストの楽曲カバーを1曲目に持ってくるところにライブにかける気持ちの入り方がうかがえた。途中、サングラスを外しかわいらしい雰囲気で歌うまこりん。意味深な歌詞が並ぶ椎名林檎を軽やかな雰囲気で歌うところがまこりんの魅力だ。

2曲目はザ・モンキーズの代表曲を忌野清志郎(ゼリー)率いるTHE TIMERSが絶妙な日本語でカバーした『デイ・ドリーム・ビリーバー~DAY DREAM BELIEVER~』を選曲。歌詞の「僕に微笑む」の場面ではオンライン配信カメラに向かって、優しく微笑むまこりんが印象的だった。

3曲目は本人から「第1回大森靖子賞」をもらったこともある大森靖子と、これまた、まこりんが尊敬する銀杏BOYZのボーカル・峯田和伸がコラボした『Re: Re: Love』をカバー。原曲はパンクテイスト溢れるものになっているが、まこりんは溌溂と歌い、まこりんなりの青春パンクを表現した。

ここまで3MCなしで歌うのがまこりんライブの特徴で、MCよりも歌を聴かせるスタイルは音楽に対し自著で「音楽くらいはせめて、軽々しく消費しない、ちゃんと愛していたい」と願う気持ちの現れであった。

満を持してのMCでは「いや~楽しい。しゃべること全然、決めていなかった。戸田真琴という名前でデビューして5年やってきたんですけど、デビューしてすぐにアイドルグループをやっていた時はガチガチで踊っていて、マイクを持ってステージに立つことが自分の中で道理に反することでした。道理に反することをやるのが苦しいタイプの人間で、必然性のあることしかできない人間なんです。今日は必然性を持たせるために、大きい存在だなと思う音楽を選んできました。めちゃくちゃいい曲だけを歌うので、よかったら最後まで聴いてください」と思いを伝えた。

4曲目はジャケットを脱ぎ深紅のドレス姿となり『カントリーガール』(谷山浩子)をしっとりと、続けて『MAY』(斉藤由貴)、『I LOVE YOU(尾崎豊)を切なく歌った。特に『I LOVE YOU』では、まこりん独自のブレスとアクセントがあり、これまで聴いたことがない新鮮な『I LOVE YOU』となり聴くものを感動させた。

再びMCでは「悲しいことが悪いことって認識がないの。人が真剣に生きていて感じる感情には全部意味があると思っていて、この感情を感じたことが無駄だったとか、感じない方がよかったなって思うことをなくしたいと思っているの。生まれなければよかった感情なんてないって最後に言いたいんです」と思いのたけを伝えるまこりん。

続けて「ずっとニコニコして『毎日、楽しいです。満足しています』って言えたら、私のことをずっと好きでいてくれる人たちは、もしかしたら安心かもしれないし、一緒にハッピーになってくれるかもしれないけど、それは一時の鎮痛剤なのかもしれなくて、本当の意味でみんなとハッピーになりたいから、私は悲しい歌を歌うし、悲しいことを言うと思うし、苦しいことを感じると思う。5年やってきて、いま見てくれている人たちは一緒に助かりたいと思っている人たちなので、これからも勝手に私は頑張るので応援してくれたら嬉しいです。いつかみんなで自由になりたいです。そういう意味で曲を選びました」と情熱的に語った。

後半に入り『マシンガントーク』(ポルノグラフィティ)と、大きなライブでは必ず披露する『愛の才能』(川本真琴)を連続で熱唱。

そして、最後は「悲しいけど最後の1曲なります。みんなも知っていると思うけど、心の中で歌ってください」と『ラブリー』(小沢健二)を選曲。その姿はまさに歌詞通り、生きていることの喜びを謳歌するよう歌い、曲後はカメラと観客に投げキッスをし笑顔で一旦ステージを去った。

ここで客席からアンコールの拍手が起こり、再びステージに戻るまこりん。「最後に1曲やったら終わっちゃうからしゃべっちゃうんだよなあ。今日まで3日間イベントだったけど、明日にはもうイベントがないんです。悲しくないですか? 悲しいんですけど、また明日から人生がんばりましょう」とアンコール曲に入るかと思われたが、名残惜しいのかその後もMCを続けるまこりん。

しかし、平方さんの前奏が続いているため「すごいしゃべるな」とツッコミが入ると、急いで「この人生で私のことを好きになってくれた全員とラブラブデートをすることはできないかもしれないんですけど、あの世で絶対にデートしようね」と、アンコール曲の『目抜き通り』(椎名林檎とトータス松本)に入り、平方さんと息の合ったデュエットを見せてくれた。

最後は全力で「ありがとうございました~!」と絶叫。約1時間に渡る魂のこもったライブを終えた。

個人的に絶妙だったのが尾崎豊と小沢健二の選曲で、80年代後半の泥臭いカリスマと、90年代後半の爽やかなカリスマの相反する内容の楽曲を歌うあたりがまこりんらしく、どちらの価値観も有している幅の広さがさすがだった。

今後も他のライブとは一線を画す独自路線で走り続けてほしいものだ。

戸田真琴(とだ・まこと)
T152cm B83(C)W58H83
生年月日:1996109日 出身地:静岡県
著書:「あなたの孤独は美しい」(竹書房)、「人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても」(角川書店) 監督映画:2019年『永遠が通り過ぎていく』
Twitter@toda_makoto
notehttps://note.com/toda_makoto
ミルキーポップジェネレーション今後のライブ予定はこちらのツイッターをご覧くださいhttps://twitter.com/MPGeneration

(写真・取材:神楽坂文人

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