川上 どういう反応をもらった?
加美 「コラボしてみる!」って前向きな返事はもらっています。
川上 それをいまやらないのはどうしてかな?
加美 知名度もそうですし、女性ファンが本当にいないので自信がまだないです。
川上 でも、努力している背中を見たファンがついてくるよね。
加美 なるほど。
川上 オンラインサロンもそうだけど、頑張っている人にお金を出したい、応援したいっていう時代になってきていると思うし、作る過程を見たい需要もあると思うの。デビューして2年目だけど、目標に対して頑張っている姿を見せることでファンとの関係性がすごく深まると思う。頑張るって大変なことでもあるけどね。
加美 なるほど。
川上 常連のファンはいるかな?
加美 イベントをやったら、いつもいる方たちだなって最近、認識してきました。
川上 いまいるファンの人たちとの関係性がすごく大事になってくるから、その関係性をどこまで深めるかを現役時代にやっていくことを意識していってもいいのかな。そうしたら安心してどんどん前に進める感じが私はしたんだよね。
例えば私の場合、出来上がったものだけを見せたい時代があったの。だからあまり弱音を吐かなかったけど、不十分で不甲斐ない自分を受け入れてそれを素直にファンの方に伝えたら関係性が築けたの。見せる関係性が築けたの。ライブで歌詞を飛ばしたりもしたけど、ファンが「俺らがやらないとダメかな」って思ってくれたのか、「自分の足りないことはここです」って素直に弱音を吐くことがあってもいいと思う。
加美 一緒に成長したいみたいな関係ですね。
川上 そうなの。加美ちゃんはいまは男性ファンが多いんだよね? それだったら男性向けの商品を作るのもいいかも。
加美 逆に!
川上 それかユニセックスの商品を作って男性ファンに喜んでもらい、女性も着られる展開をしていくこともいいかも。自分でパターンを引いて洋服を作れるんだよね。
加美 作れることは作れるので1回やってみようと思ったんです。加美杏奈じゃなくて一個人としてやってみて、それが売れたら「実はやっていました」って公表しようかなって思ったんです。
川上 加美杏奈でやってもいいのに(笑)。でも、いろんなことに挑戦してもいいのかなとも思う。私の場合、川上奈々美としてクラウドファンディングで無謀な挑戦をした。目標達成金額にいかなくても、その結果を表に出すことに意味があると思ってやったんだよね。
それに対して次の世代の子がどうクラウドファンディングをやるのか、そしてリターンの内容がデート権じゃないような、身を使わないようなやり方でお金を集めるにはどうしたらいいのかを考えてほしい。いろんなことをいま研究し実践しているの。
加美 実践する力はすごいと思っています。ずっと追いかけたくなります。「はだかいっかん!」でお会いした時は川上さんのことを知ってはいるけど深くは知らないし、直接お話をしたけど時間が足りなくて、まだまだ話を聞きたい気持ちがずっと残っていたんです。どこからその活力は沸くんですか?
川上 いちばん最初は自分のためにやっていたはずだよ。でも、自分だけじゃなくなって、どんどん広がっていったし、奉仕的な気持ちや正義感もあったの。
すごくおこがましい言い方かもしれないけど、私がいまやっているプロジェクトがエンターテインメントとして成功したら、AV業界のことをあまり知らない人も理解してくれたり、偏見がなくなったり、後輩への道筋にもなるんじゃないかと思っているの。
私が役者になりたい理由は明確にあって。ハリウッドやヨーロッパなどワールドワイドに作品に出演したいの。たくさんの人の心を動かし、それで救われる人もいるし、気づく人もいるからやりたいと思って動いているの。それが最終的に自分のためであるから。まず、それには英語が必要だし、そうやって必要なものを有言実行して進んでいるの。
加美 やりたいことを一つずつリスト化しているんですか?
川上 まずは現実的なところからあぶりだしていく。とにかく目的を定めて、それにはなにが必要か試して失敗したら、こっちをやってというように、どんどん目的に近づいていくの。
今回のプロジェクトも相当揉めて、頭を下げてお伺いを立ててみたりもした(笑)。「なんで私が頭を下げないといけないの」って思ったけど、自分がやりたい理由があるし、やれば変化が起こる可能性が出てくるから、それが第一優先なんですって伝えた。それでも頭を縦に振ってくれない人ももちろんいて、そういう人たちには関わり方を変えないといけないということを今回は知れた。
対談中編は明日公開!!