川上 それはメーカー専属の契約更新の時かな?
加美 そうです。専属契約が更新されるのかされないのか分からない時だから、もし更新がなかったらどうやって仕事をしていこうかなって考えちゃったんです。その時に初めて家にいただけなのに涙が出ちゃって、思わず親友に電話しました。その親友にはいちばん最初にこの仕事を始めることを言ったので理解してくれています。
川上 この世界に入るって言った時はどんな反応だったの?
加美 最初は止めようとされたんですけど、「体だけは気をつけなよ」ってすごく後押ししてくれたんです。最初から「やめな、やめな」じゃなくて、「気をつけなよ」くらいの感じでした。その子に電話をしたら、夜中だけど出てくれて、私の話を聞くだけ聞いてくれたんです。親友からしたらこっちの世界のことは分からないじゃないですか。でも、しっかりと聞いてくれたのでスッキリして。そこでため込むのはダメなんだなって思いました。
川上 初めての経験で知らない自分が出てきたんだ。
加美 そうなんです。20歳を超えてこんなことあるんだって思いました。
川上 責任感が強すぎるんだね。
加美 そうなんですかね?
川上 19、20歳の頃は羽が生えたようにフワっと飛び回っていたわけでしょ。その頃はイケイケでキラキラだったはずだから、またその頃に戻って事務所やメーカーのことを考えなくてもいいと思うんだ。それを考えるのはもっとあとでいいよ。まだ考えなくていい。そこを背負ってしまったらいい色が出ない。加美ちゃんの場合はね。
加美 そうなんだ!?
川上 そう、出ていない。
加美 出ていないんですね!? うわ~! なんてこった(笑)。
川上 加美ちゃんはもっと前へ行けるなって思う。
加美 その言葉はめちゃくちゃ嬉しいです。
川上 SNSは得意?
加美 ツイッターとかはやってこなかったので、やり方をどうしようってずっと思っていたんですけど得意になりました。最初マネージャーから、「SNSはめちゃくちゃ大事です。毎日、3回はツイートしてください」って言われたんです。最初、言われた通り頑張ろうと思ってやっていたら根付いて、結果としてすごくよかったです。
川上 楽しめてるのはいいけど、たまにしんどくはならないかな?
加美 ファンの人とつながるのはイベント以外だとツイッターしかないし、発信は必要だと思いました。だから、いまは全然苦じゃないです。
川上 そうかあ。あとはなにかやってみたいことはあるの?
加美 今後の話に絡んでくるんですけど、引退後も仕事はしたくて。
川上 もう引退後の話!
加美 引退したらタレント業は終わろうと思っているんです。
川上 ええ! 「加美杏奈」の名前は使わないの?
加美 そこはまだ悩んでいるんです。女性ファンをつけたいことにつながるんですけど、洋服が好きだから自分でブランドを作って起業をするのが目標です。
川上 それは明日花キララちゃんや三上悠亜ちゃんのやり方とは違うのかな?
加美 そうやったほうが確実に売上や、やりやすさはあるなって思うんですけど、真似っこみたいになりたくないんです。
川上 自分の形でアパレルをやりたいんだ。それは絶対に見つかるはずだよ。
加美 段階を踏んでいこうとは思っています。現在アパレルブランドのモデルをやらせてもらっているので人脈を広げてクライアントさんとつながって、まずはそのメーカーと加美杏奈のコラボアイテムを作りたい。人とつながってアパレルの仕事ができることが明確に分かれば、自分が動けると思っているんです。
川上 その段階は踏めているの?
加美 関わっているクライアントさんたちにはずっと伝えていて目標を話しています。